余談雑談 2008年1月26日

今更ながら、テレビやネットの影響力に驚いている。行きつけの店や、近所にある飲食店が突然、大繁盛。

ところが、そういう人種はすぐわかる。なめられないようにと、ごく自然に、を演じながら『名物』と紹介されているメニューのみを頼む人や、気を使って新参者ですのでお手柔らかにという人もいる。しかし、名物がでてくると、当然のように携帯電話で写真をパチパチ。

本来、心置きなく手頃な値段で飲み食いできる店には客側にもそれなりの仁義があった。今では、『仁義』というだけで怖い人か、時代錯誤と言われるのだろう。

だが、自分が若いころは、星がいくつか付くかしこまった高い店でなく、身の丈に合った店で『普通』に呑めるようになるのが、大人だと思っていた。

誰だって、初めは新参者だ。だが、店の雰囲気や常連らしい人々の振る舞いをそっと見ながら、自分なりに飲み方を覚えたものだ。どうせ一回だけで次は別な店に行くから、と自分の価値観を当然のようにだすようなことはなかった。

俄かに忙しくなった店で、酒を呑みながら、漠然と昔を思い出した。だったら、いっそ『なくなった名店コンプリートガイド』でもやるか。今更紹介しても誰も行けないからな。

フンだ。

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