ここをどうするか悩んだ。何か、日常の心象や映画のこと以外でないか。
でもって、<番外編>のみ、このコーナーで『都々逸(どどいつ)』を扱うことにした。
都々逸とは、短歌や川柳のように『七・七・七・五』で作るもので、昨今は完全に忘れ去れた文芸といえよう。特に、妾や女郎といった日陰者たちが、好んで詠ったものが多い。報われない恋についての間接的な表現や自虐的なものが多く、どうも自分のような後ろ向きオジサンの心を鷲掴みにするものが多い。
で、第一回目。「花にゃ誘われ ひばりにゃ呼ばれ 今日も出てゆく 春の山」
春でもあるし、これを選んでみた。寒かった冬から、暖かくなって外出が楽しくなる。そこにもってきて、赤提灯や麗しい女性たち。どうにもウキウキと浮き足立ってしまう酒飲みの心を見事に突いてますな。
所詮、酒飲みは何だかんだと呑む言い訳を付けたがるもので。