余談雑談 2008年3月29日

櫻が満開だ。すぐ近くの花見スポットで有名な公園は、夜明け前に、既にブルーシートによる陣取りで歩く隙間もない。それでも、人が溢れている。この週末はどうなることかと、些か呆れている。

でも、櫻の命は短い。その短い間に、ひとときの安らぎを求めるのだろうか。それとも、花など関係なく騒げれば良いのだろうか。だが、それぞれの人間たちの間を、風が吹くと舞い上がる花びらの散り際はひときわ美しい。

そんな時期にリチャード・ウィドマークの訃報が入ってきた。享年93歳。デヴュー当初は悪役が多く、いつも死んで行くという印象が強かったが、やがて鬼軍曹役や悩める刑事といったシブさとクールな大胆不敵さを伴って行き、後期は大統領役までこなした。アクが強くて大好きな俳優のひとりだった。

93歳といえば、天命を全うしたともいえよう。彼が映画界を引退してから、15年は経つ。もはや、そんな俳優は知らないという映画ファンの方が多いだろう。

満開の櫻を眺めながら、彼の散り際はどうだったのだろうかと思いを巡らせている。

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