スカイ・ライダーズ – SKYRIDERS(1976年)

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スタッフ

監督:ダグラス・ヒコックス
製作:サンディ・ハワード
脚本:ジャック・デ・ウィット、S・マン、G・M・ホワイト
撮影:グレッグ・マックギリプレイ
音楽:ラロ・シフリン

キャスト

マッケィヴ / ジェームス・コバーン
エレン / スザンナ・ヨーク
ブラッケン / ロバート・カルプ
ニコリディス署長 / シャルル・アズナブール
NO.1 / ウェルナー・ボーガス
NO.6 / ズー・ズー
ワッセルマン / ケネス・グリフィス
オーエルバッハ / ハリー・アンドリュース
ベン / ジョン・ベック

日本公開: 1976年
製作国: アメリカ S・ハワード・プロ作品
配給: 20世紀フォックス


あらすじとコメント

空を飛ぶ乗り物つながり。今回も着想がそこそこ面白い、ある種、奇想天外なアクション映画。

ギリシャ。アメリカ人の富豪ブラッケン(ロバート・カルプ)と妻エレン(スザンナ・ヨーク)は子供二人を連れ、別荘に滞在していた。ブラッケンが外出したある日、武装集団が別荘に乱入し、使用人たちを射殺した上で、エレンと子供二人を誘拐するという事件が起きる。

ブラッケンは地元警察の署長ニコリディス(シャルル・アズナブール)に捜査を依頼。すぐに犯行グループから連絡が入ってきた。しかし、要求とは身代金ではなく、ジェット戦闘機や高射砲といった2500万ドルの武器弾薬だった。驚くブラッケンたち。署長は前代未聞の要求に混乱しながらも、犯行グループと軟禁場所を特定しようと奔走する。すると、アメリカ人で実業家のマッケィヴ(ジェームス・コバーン)が、勝手に独自の調査を開始しているのを知る。

結果、警察とマッケィヴがお互いの足を引っ張り合ってしまう。物好きな金持ちの横槍は迷惑だと抗議する署長に、自分はエレンの元夫で、誘拐された子供の一人は自分の息子だと答えるマッケィヴ。

やがて、マッケィヴの尽力で誘拐犯たちの居場所が判明する。しかし、その場所というのが・・・

当時、流行りだったハング・グライダーを取り込んだアクション作。

前回の「空中大脱走」(1971)に設定が似ていると感じた。断崖絶壁にある難攻不落の場所。

地上からは簡単に近づけないので、空中からのアプローチがベストである。かたや、そこからの脱出。こなた、そこへの攻撃である。中々、面白い設定だ。

しかも、CGなどの特撮でなく、実際にハング・グライダーを飛ばし、アクション・シーンを展開させる。さすがにホンモノの迫力がある。

ただし、どうしてもB級感があるので、意味のないシーンつなぎや、首を傾げる設定もかなりある。更にスピーディな展開を目指したのはわかるが、登場人物たちがいきなりヒントを得たり、不意にシーンが飛んだりと端折り過ぎな部分があるし、編集に一定のリズム感がないので、ややもたつく。そういった点が、どうにもB級感を醸しだしている。

それは監督のダグラス・ヒコックスが新人で気負い過ぎたかもしれないし、出演陣も名のあるスターたちがでているが、どうにも盛りを過ぎた感じがあるからかもしれない。

主役を演じているのは渋さが増したころのジェームス・コバーン。「荒野の七人」(1960)で頭角を現し、007の向こうを張った「電撃フリント」シリーズで主役として認知されたが、その後はどうにも超一流スターとしては認知されなかった。今回は金持ちで遊び人。ただし、密輸業者。その点は、タフさとチャーミングさを滲ませていた時期で適役ではある。

そんな彼とは旧知の仲で家族を誘拐されるのはTV作品がメインだったロバート・カルプ。偏屈さと格好つけすぎ感を伴う警察署長はシャンソン歌手でトリュフォーの映画などにも出演しているシャルル・アズナブール。他にもスザンナ・ヨークと、やはりイギリス系だが、なぜか元ナチのUボート艦長役のハリー・アンドリュースといった一応の豪華俳優陣。

内容としては、警察が警備しているのに身元不明の主役が簡単に被害者宅に出入できたり、テロリスト側の要求後すぐに警察が被害者宅の警備を手薄にしたりとか、ハング・グライダーの空中ショーの演者たちが何故か主人公に共感し決死の奇襲攻撃に参加を決定、その上プロの軍人並みに武器を扱えたりといった信じ難い展開を見せるが、そこは娯楽アクション映画。

ただ、クライマックスの断崖にそびえる実際の修道院を舞台にしたアクション・シーンは、迫力もあり、かなり良く出来ている。

前回の「空中大脱走」同様、肩肘張らずに大らかな気持ちで見れば、飽きない娯楽作ではある。

余談雑談 2008年5月10日
関西の某有名料理店が、客の食べ残しを再度、別な客に出したとして話題になっている。食品衛生上は法に抵触しないが、モラルの問題だとか各マスコミやコメンティターが一斉に非難している。 しかし、もしかしたら料理屋サイドからすれば『もったいないの精神