試写で「12人の怒れる男」を観た。
あれ?と思う読者もいらっしゃるだろう。だが、ヘンリー・フォンダ主演のオリジナルでなく、「太陽に灼かれて」「シベリアの理髪師」などを作ったロシアのニキータ・ミハルコフ監督によるリメイク。
舞台は現代のモスクワ。チェチェン人の少年がロシア人義父をナイフで殺害したという事件を扱う陪審員たちの話。オリジナルを踏襲しつつ、現代ロシアが抱える問題を浮き彫りにしていく展開。旧作を知っていればクスクス笑える場面もあるし、監督の新たな解釈で展開されるシーンでは、お見事と膝を打ったり。
上映時間は2時間40分。オリジナルは1時間40分。旧作を知らない人間はどう感じるのか。また、旧作に思い入れのある観客には、この1時間をどう捉えるかで印象が変わろう。
オリジナルについては涼しくなった頃にここで扱う予定だが、リメイク版は東京で今日から公開される。