余談雑談 2009年4月11日

入院話の続き。

骨折の翌々日に入院し、次の日に手術というので三週間程度だなと思っていたら、入院当日、突然の予定変更を告げられた。

生活習慣病のひとつが見つかり、数値が非常に悪く手術ができないと。元来の病院嫌いで、検査など20年以上も行っていなかった因果応報である。

部屋は6人用の広さなのに、8床もある大部屋。先客が5名。全員が4~50代で、寝たきりの重病者や痴呆症を併発した老人などはいなかった。しばらくは嫌でも同居するので、早速、事情聴取が始まる。

何せ、こちらは生まれて初めての入院。初犯で入獄した新参者の心境である。牢名主と思しき、部屋を仕切っているのは、右足靭帯を傷めたという中年ウィンド・サーファーで、2年前に左足を損傷し、今回で二度目と明るく笑った。他にスキーで骨折したノンキャリア官僚、ヘルニアで、自分と同じ生活習慣病を患う某有名ラーメン店の従業員、50万人に1人という脚部に癌が発症し、抗がん剤治療をする社長など。

完全に、ここで紹介した「グランド・ホテル」の世界である。違うのは『脛に傷持つ身』ではないが、まあ、手術を経験したのに、皆明るいこと。

自分は数値が下がるまで、投薬と食事制限などでコントロール下におかれ、ただ、ひたすら待つのみ。決まった時間に三度の食事が供され、若い看護師たちの白いユニフォーム姿を眺める日々。幸い骨折の傷みもなく、考えようによっては極楽の日々でもある。

だが、皆が時間を持て余している近所のご隠居さん状態。これから待ち受ける手術に関して、先人たちは、午前か午後かによって違うオペ前の対応、麻酔時の状況、術後の時間別状況変化など、尋いてもいない情報を散々話してくる。

なるほど、手術経験者である先輩としての心構えを伝授してくれているのか。それにしても不安を煽る話っぷり。そこで、感じた。

ここはまさに、『呉越同舟』ではなく、『同病相哀れむ』なのだと。

続く・・・

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