ついこの前の早朝。住んでいるビルの下の公園から蝉の鳴き声が聞こえた。
蝉が鳴くのは、梅雨が明けた証拠だということを、遥か昔に聞いたことがある。しかし、梅雨明けの発表はない。
蒸し暑いので、成る程、夏は近しという実感はある。だが、以前までの梅雨後半にドカッと雨が降るイメージとは違う印象もする。週間天気予報を見ても、傘マークが付いたと思うと、次の日には消えたりしている。
昨今、気象庁の発表も『梅雨に入った模様』とか『明けた模様』といった過去形での発表も多い。クレームが多いのだろうか。それに、TVでの気象予報士の個人的見解や民間気象会社の発表もマチマチだ。
確かに情報量は多いほうが良いに決まっている。だが的確性を追求するあまり、風情はどこかに追いやられる。
いずれは、何とはなく、『この時期の平均降雨量』とかいう表現で、『梅雨』という言葉自体が消滅するのだろうか。