余談雑談 2009年10月7日

今回の都々逸。

「逢うた初会にすいたが因果 みんなそなたがあるゆえに」

芸者が、客を見初める。当然、日陰者としての発想であり、以後は世を忍ぶ関係だし、更には耐え忍ぶ関係ということだろう。

しかし、ここで着目したのが『初会』という言葉。「いちげん」とか「お初」とも言われようか。

では、いつから「お馴染み」とか、「常連」となるのか。

以前、シブい居酒屋で、偶然、横に坐ったサラリーマンと思しき二人連れの会話を思い出した。

上司らしき初老の男が、親しげに店の親父さんに声を掛けて何とか認知してもらおうとしていた。しかし、親父さんは、どこか憮然とした表情。あまりにも、その二人組が店の空気を読んでいなかったからである

「俺たちは、今日が初めてで、『いちげん』だから、仕方ないか。まあ、次来れば、常連だからよ」と、初老の男が訳知り顔の小声で、若い奴に呟いた。

待てよ、と思った。確か、「常連」とは、最低でも三回目以降ではなかったか。二回目は『裏を返す』と言うはずだ、と。

それとも、そんな面倒臭いことは端折って、スピーディにスマートに「常連化」するのが今風で、合理的なのだろうかね。

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