今回の都々逸。
「追われる仕事 仕事のメモに やっぱり逢う日が書いてある」
これは『現代都々逸』と呼ばれた類のものでる。確かに、江戸や明治時代では「メモ」は使わなかったであろう。
忙しく仕事に追われる日々。そんな中、好きな相手と会う日が書いてあって、心が和むのか。
まぁ、恋人同士なら問題はないが、本来、都々逸とは報われぬ人間たちの心情を読んだものが多い。つまり、相手は本妻ではないだろう。
しかし現在では、紙のメモではなく、この手のことは携帯電話を使うのだろうか。確かに、メモでは、もし、本妻に見つかりでもしたら、夫婦喧嘩の種にもなるし、離婚訴訟の証拠にもなる。
そんな迂闊なことはしないさ、と携帯の機能を上手く使うのだろうか。
でもな、メモは捨てれば済むが、携帯は消しても昨今は再生が利くらしい。
例えば、それを知ってても、ジッと耐え忍ぶ妻が、今の世、どれほど存在するのか。
いないだろうな、とため息をつく御仁にひと言。そんな女性を貰ったのは、一体、誰なのだろうか。