ホワイト・クリスマス – WHITE CHRISTMAS(1954年)

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スタッフ

監督: マイケル・カーティス
製作: ロバート・エメット・ドーラン
脚本: ノーマン・クラスナー、メルヴィン・フランク、N・パナマ、
撮影: ローヤル・グリッグス
音楽: アーヴィング・バーリン

キャスト

ウォレス / ビング・クロスビー
ディヴィス / ダニー・ケイ
ベティ / ローズマリー・クルーニー
ジュディ / ヴェラ・エレン
ウェイヴァリー / ディーン・ジャガー
エマ / メアリー・ウィックス
ジョー / ジョン・ブラシア
スーザン / アン・ホイットフィールド
ハリソン / ジョニー・グランド

日本公開: 1954年
製作国: アメリカ ファースト・ピクチャー作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

今日はクリスマス・イヴ。不景気で、いまひとつ盛上らないが、ほんの少しだけ、読者へのクリスマス・プレゼント。

1944年12月24日。第二次大戦最中のヨーロッパ。有名歌手のウォレス大尉(ビング・クロスビー)が所属している師団長ウェイヴァリー少将(ディーン・ジャガー)が、退官することになった。

少将は頑固一徹で厳しい人間だったが、部下からの信頼は抜群に厚かった。そこでウォレスは、臨時で組んでいたディヴィス一等兵(ダニー・ケイ)と、クリスマスの慰問ショーを催していたので、師団全員で将軍を見送った。

戦後、ちゃんとしたコンビとなった二人は、美人姉妹のベティ(ローズマリー・クルーニー)、妹のジュディ(ヴェラ・エレン)と知り合う。そして、二人はヴァーモントのホテルに巡業に行くという姉妹と同行することになる。

しかし、その巡業先のホテルというのが・・・

ハート・ウォーミングなミュージカルの佳作。

芸人たちが、新たなショウを催そうとするバック・グラウンドを描きながら、恋愛からお笑い、果ては人情噺までを盛り込んだ楽しい作品。

主役のクロスビーは戦前からの人気エンターティナーという設定。で、ダニー・ケイは作詞をするが一介の男。それが、爆撃で窮地を救ったことを恩に着せ、自分も立身出世していこうとする。

方や、姉妹の姉は、美人で歌が上手いが引っ込み思案。で、妹は、主人公の相手役のケイ同様、立身出世を夢見て積極派である。

そんな四人が行くのが、雪深いヴァーモントの小さなホテル。ところが、異常気象で雪はない。何やら雲行きが怪しい。

そして、ホテルにいるのが、かつて上官だった将軍。しかし、武士の商法でホテルは倒産寸前。当然、義理人情に厚い主人公は、一計を案じる。で、どうするのか。

とても解りやすい進行に決まっているのだ。後は、恋の行き違いあり、楽しい唄と踊りが繰広げられ、お涙頂戴の大団円のラストへと突き進んでいく。

楽曲はアーヴィング・バーリン。旧作から書下ろしまで14曲もふんだんに登場し、目も耳も楽しませてくれる。

タイトルにもなっている「ホワイト・クリスマス」は、実は本作のための書下ろしではなく、やはりビング・クロスビーとフレッド・アステアが共演した「スイング・ホテル」(1942)で最初に使われた曲である。

そこで歌ったのもクロスビー。また、本作も相方役には当初、アステアにオファーされたが、実現せず、次に「雨に唄えば」(1952)で、軽業師的な踊りを披露したドナルド・オコンナーに白羽の矢が立ったが、それも流れてダニー・ケイの登板と相成った。

確かに、唄うクロスビーに対して、ケイはコメディ部分を受け持ち、彼ならではの存在感があるが、ダンス場面では、やはり、些か動きがぎこちない。

それに、冷静に見ると進行や端折り過ぎの部分など、マイナス点もある。しかし、クリスマスに見て、単純に安心して楽しめる作品の一本であることに間違いはない。

30年以上前、DVDは勿論、ビデオもなく、映画は映画館か、テレビでしか見られなかった。

当時、どこかの地上波でクリスマスというと放映されていた記憶があり、他に放映する映画はないのかと思っていた時期もある。

なので、ある年齢以上の御仁には、一度は見たことがある作品だろうか。しかし、現在、地上波で放映されることはなく、大手のレンタル店で『クリスマスのおススメ』欄には置いてある作品となった。

他にもクリスマスに適した作品は数あるし、ベタ過ぎて、主題歌だけはあちらこちらで流れているのを聞くが、映画自体は語られなくなった作品かもしれない。

しかし、クリスマスを題材にした感動作は、いささか宗教臭いものもあるし、敵役が登場し、盛上げる作品も多い。

そんな中、ある意味、悪人が一切登場しない、ストレートな感動作として作られた作品。ただし、軍隊を肯定しているので、そこが鼻に付く人もいるだろうか。

でも、ミュージカルとして、何も考えずに、単純に楽しめる作品である。

余談雑談 2009年12月24日
いつも<番外編>は日本映画ばかり。なので、今回は<特別編>といった感じだろうか。 で、都々逸はナシにします。 個人的には、クリスマスのおススメ作品は、幾つかあるが、それは、通常の発行分に組み込んでいるのでパス。 敢えて、既にメルマガで紹介し