着々と天空に伸び続け、既に、観光名所となった『東京スカイツリー』。
先立て、ストリップを一緒に鑑賞しにいった女性のひとりが、すぐ近くに住んでいる。何でも、家賃の値上げ交渉がもう始まり、その近所にある、自分も何度か行ったことのある、味わい深い銭湯も閉場すると聞いた。スカイツリー需要を見越しての、地元活性化に向けた再開発の一環なのだろうか。
最近は、まったく出向かなくなったが、「銭湯」は、東京では450円で味わえる素晴しい日本文化だと思っている。
かつて、タワーの建つ墨田区は町工場が多く、民家も小さくて、内風呂などない下町の代表格の地域でもあった。
その近所の酒場には、今でも、たまに顔を出す。そんな酒場で毎夕飲む職人には、銭湯が酒場前に行く「心の場所」だったのかもしれない。
銭湯といえば、昔は入浴客の背中を流す仕事の人間がいた。『三助』である。これも絶滅した職業だといえるだろう。
どうも、なくなるものばかりに気が行く自分。で、どうせなくなるなら、自分は背中は流せないが、別な意味での「心の三助」になりたいものだ、と。