相変わらずの暑い日々。散々悩んだ挙句、保険金をつぎ込んで、エアコンを購入することに決めた。
いよいよ工事当日。朝8時には30℃を越える日だった。職人たちが、台車にエアコンや工事道具を乗せ、4名でやって来た。ところが、室内に入った親方が、エアコンや配線を見て、息を飲んだ。そして、こう仰った。聞いた内容と現場の状況が全然違う、と。つまり、現状では交換不可能だと。
見積もりをしに来た人間が、あまりにもザクッとした見方と、勝手なる思い込みで職人に伝えていたのだ。親方は携帯で、見積もった人間を呼んだ。
しばらくして、平身低頭でやって来たが、結局、その日の工事は延期と相成った。しかも、見積もった人間は、この猛暑で、取り付け工事が殺到し、新たに配線工事も必要だし、設置と同じ日に可能かどうか。なので、十日から二週間先になるかもと平気で言うではないか。
確かに、汗でグッショリになりながら、『申し訳ありません』という姿は、心を打つ。まァ、優しくいえば『おマヌケ』という印象も漂う壮年男だ。
否や、そのときは口にしなかっただけ。この際、ここでハッキリ言おう。「大バカヤローめ!」。全部アンタの所為ではないか。
申し訳なさそうにエアコンを持って帰っていく職人たち。当然、何もせずに居ただけでも、汗でシャツが染まっていた。それを、ただ、見送るしかない自分。
室内でも「熱中症」があるとか。水分補給や、小まめなを休息を、と。しかし、そのとき感じた。精神状態の高揚で誘発の可能性も高いだろうな、と。もし、自分が今の部屋で、熱中症を引き起こしたら、間違いなく、アンタの責任だからな。
まァ、設置までに暑さのピークを越えていれば別だが、それじゃ、違う意味で、絶対に許さないぞ、てな。