中高時代の友人たちと一献傾けた。今回は、ご夫人同伴の仲間も結構いた。
その中で、出世頭は「裁判官」だ。しかも、夫婦揃って、である。二次会で、その夫婦と同席になった。
旦那は同級生だが、夫人は違う。自分が『一応』、というか「自称もの書き」であると言うと、夫人が、どんなことを書くのかと尋いてきた。
しかし、その眼には、やはり『只者ではない』という雰囲気が浮かんだ。ある意味、『判事』という職業病であろうか。こちらは当然保身に走る。「古い映画専門だ」と。
しかし、それもあくまで建前である。以前とは違い、本当に『ライター』で生計を立てている訳ではなく、現状は、忘れた頃に単発の依頼が来るかどうか、という程度のスポット的アルバイトみたいな存在だ。そんな自分に、夫人は、是非、裁判官の実情を発信して欲しいと仰った。
当然、自分らとて人間であり、職種としては『司法関係者』だが、「裁判官」は「弁護士」や「検察官」とは、まったく違うのだと。確かに内容は、一々頷けることばかりであった。
しかし、敢えてここで詳細には触れまい。見方には、それぞれの立場がある。当然ながら、価値観も人それぞれだ。
奥さん勘弁してくれ。それが、ある種「プロ」になりきれない、こちらの甘さであり、逆に、「プロ」だった優しさだから。