先週、このメルマガの発行時のこと。
まだ夜も明けぬ時間、室内の照明も点けず、テレビの音声を聞こえるかどうか程度にし、発行前最終チェックをして、さて、そろそろというとき、9階の部屋にわずかな揺れが来た。
その瞬間『緊急地震速報』がテレビ画面にあの嫌な警戒音を伴って表示された。しかも、「東京」が想定内である。
一瞬、考えたが、『発行』ボタンを押し、玄関のドアを開けに行った。確かに揺れが大きくなったが、さほどではなかった。
だが、あの日も、大したことはないな、と思っていたが、徐々に振動が大きくなり、最後に大きな揺れが来た。
開けたドアから冷たい風が吹き込み、身震いした。それでも数分は、その場に立っていた。
頭の中を駆け巡ったのは、ライフラインが今、切れたらとか、持出しバッグや避難先。それに、確か、阪神淡路大震災も、似たような時刻に起きたのではなかったか。あの日も、寒い朝で、トイレにいたが、ほんの僅かな揺れを感じた記憶がある。
まだまだ、震災の悪夢が醒めぬ。9か月が経ち、どこか以前のような日常に戻った感がある東京。それが、慢心ということか。それとも、単に恐怖から逃げたいのか。
しかし、逃げる術はない。でも、半端な人生からは逃げたいもんだな。もっとも、逃げるには、それなりの体力や努力も必要か。だとすると・・・
取り敢えず、コーヒーでも飲むか。それだけでも、倖せだもんな。