納谷悟朗が亡くなった。
ベテラン声優で、何人もフィックス俳優がいた。有名なのはチャールトン・ヘストンや「コンバット!」のヘンリー少尉だろうか。他にも、ジョン・ウェインやクラーク・ゲイブル。個人的には、晩年のロバート・ライアンが好きだった。
フィックスではなく、ピンポイントだったが、面白いと感じたのは、「脱走特急」での相手役トレヴァー・ハワードの吹替え。実は、「脱走特急」は吹替えが2バージョンあり、もう一方は小林昭二であった。
TVの洋画劇場世代で、声優が好きというファンがどの程度いるかは計り知れないが、上記の二人で、ジョン・ウェインと同じ声優ではないかとピンとくる人もいようか。
しかし、どう考えてもトレヴァー・ハワードとジョン・ウェインは一致しない。それでも、中々、ハマっていたと感じたのは、声優としての力量ゆえであろうか。
そんな納谷は、当然、俳優でもあった。一度だけ、六本木の俳優座劇場で、彼の舞台を見たことがある。演目は「おかしな二人」。映画ではジャック・レモンとウォルター・マッソーで演ったやつである。
その時の相手役は小林修。小林修と言えば、ユル・ブリンナーの声優。納谷がマッソー役、小林がレモン役。舞台を見ながら、ヘストンとブリンナーがダブって見えたのは言うまでもない。
『吹替え好き』な自分としては、更に驚くことが起きた。「十二人の怒れる男」のブルーレイでのソフト化だ。既に発売されているDVDには、日テレ版の第二の吹替版が収録されているが、何とブルーレイ版には、小山田宗徳の幻の吹替えまで入った。
遥か以前、ベータのビデオで録画したのを何度も擦り切れるほど再生して観たバージョン。個人的には特別な宝物であったが、デッキが故障してから、自宅でも幻となっている。
流石に食指が動く。かと言いつつ、プレーヤーも持ってないのに。