いつの間にやら桜が咲いた。そして、もう「満開」である。
季節の移ろいなどと悠長なことは言っていられない時代なのかとも感じる。各地域団体などが、予定していた「桜まつり」等も、そう簡単に変更できず、大慌てなところも多いだろう。
それでも自室眼下の公園は、都内でも有数の桜の名所でもあるので、平日の昼下がりから、花見客で混雑している。今日からの週末は、どれほどの人が花見に出向いて来るのだろうか。
確かに、この冬は寒かった。そこに「桜」と聞けば、日本人の遺伝子が騒ぐに違いない。しかし、これほど開花が前倒しになると下衆な勘繰りが鎌首をもたげる。とある気象予報士が、今年は春がなくて、いきなり初夏になるとの発言に起因する。
「日本亜熱帯化」である。春と秋がなくなり、夏か冬の二季化。その予報士は、5月にも東京は『走り梅雨』があるとも言った。「ゲリラ豪雨」のことだろうか。
いやはや、何とも言えぬ。長年、四季があるという遺伝子が覆され、混乱する。それに続くのは体の悲鳴である。頭では分っていても、支配出来ないのが肉体。人間は「慣れる」ともいうが、そう簡単ではないだろう。
雪も多く、この冬は寒い寒いと言い続け、これだと「暑い暑い」が、三ヶ月以上も続くことがないことを祈るばかりだ。
何せ、生まれてこの方、暑いのだけはまったく慣れる気配はないからな。