余談雑談 2013年9月14日

東京での五輪開催が決定した。報道は、慶びと歓迎ムード一色で、既に経済効果の試算が発表されたり、株価が高騰したりしている。

しかし、本当に都民の大多数が喜んでいるのだろうか。そもそも、ヘソ曲がりな自分としては、単純には喜べない。インフラ再整備やら、競技予定地の再開発等、また拝金主義が大手を振って跋扈するだろうから。

確かに暗い話題しかなかった、この十数年間。大変に喜ばしいことだろうが、前回の東京開催で急激な都市化が進み、街全体の景観など無視した、無気質なビル群が増加し、土地買収の遅れで、首都高は川を埋め立てて付け焼刃的に作られ、信じ難い急カーブなど川の流れそのままだ。極め付けは、日本橋を高速道路の下にしたこと。

それまで地方都市の親分的なスタンスであった東京が、世界に並ぶ「大都会」へと変貌した。至る所に残っていた敗戦の傷跡はなくなったが、同時に「江戸」の最期の残り香も消し去った。情緒や風情よりも近代化。急激に西欧化を目指した明治維新の「薩長連合」が過る。何故なら、現在の首相は、どこの出身だったか。

間違っても「江戸っ子」とは自負せぬが、東京の下町に生まれ育ち、現在も、その場所が有名観光地。そこに住む人間としては最長電波塔の出現で観光客が増加し、中には旅の恥はかき捨てとばかりに、何も考えずに町を汚して行く人間も増加した。そんな場所に住んでいると毎日が閉口の連続。

開催に向け、様々な突貫工事がなされ、渋滞なども増加するだろう。エコを取り入れた開催とも謳っているが、本当にエコなのは、開催しないことだろうと思うのは自分だけか。

それに今度は、昔の東京を象徴する何を壊すのか。何でも近代化や利便性で片付けられては堪らない。

そんな人間たちの驕りが、気象変動を倍加させたに違いない。7年後の7月開催とも聞く。選手や応援客らは、酷暑とゲリラ豪雨の中での参加なり観戦となろう。それでも、まだ五輪の時だけ来る一過性の方は良いだろう。だが、そんな地域にずっと住み続ける人間もいる。

今度こそ、過去の反省をし、バランスの取れた再開発なりをして貰いたいものだ。

まあ、無理だろうけど。

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