余談雑談 2013年10月26日

ビデオのダビングで嬉しいことがあった。昔、確かに録画したはずなのに、テープが見つからなかった映画。それが不意に見つかった。

外箱には別なタイトルが書いてあり、それをダビングしようとした時だ。おや、違う作品だぞと思い、次の瞬間、飛び上がった。これだ、これを探していたのだ。

劇場未公開で、ビデオ発売のみのアメリカ製TVムーヴィー。再見したくて、10年以上も探していた。ところが、そういうのに限って収録テープが行方不明で悶々とし、ならばと、ネットで中古のセル・テープを探したがヒットせず。

当然、パンフやポスターもないので、このメルマガは画像ありきの紹介なので、正式には扱えない作品でもある。

タイトルはこうだ。『大穴!特攻草野球 / 万歳スタジアム』(1987)当時、どれほどフザけたタイトルをつけるのだと思った。ところが、単なる爆笑ノー天気コメディとは違うのである。

1957年のミズーリに本拠を置く野球のマイナー・リーグのドラマ。元大リーガーの投手兼四番バッターが主人公で、酒浸りの女好き。そこに若い真面目な選手と、差別を受け続ける黒人の強力打者の話が絡む。

どこかチープなロード・ムーヴィー風であり、少しコメディ要素が散りばめられる。正攻法な作りで、以外性などないが、これぞB級ティストで、胸が熱くなる作劇。

だが、ラストのリーグ優勝を懸けた試合場面だけは、意表を突かれた。通常なら、ホームランなりの感動的な優勝を描くのだろうが、さにあらず。そこに、所詮マイナー作品だと思うかもしれぬが、舞台がマイナー・リーグだ。

監督はマーティン・デヴィッドソン。マイナー作品やTVムーヴィーばかりの監督だが、元大人気ドゥ・ワップ・グループのアイドルであった中年男の再起を描く秀作「奇跡の歌」(1998)を作った人物だ。これはいずれ扱うが、余りの感動で試写室に三度も通い、当時、連載を持っていた雑誌で取り上げたほど好きな作品。その監督の作品である。

10年以上振りに再見し、熱いものがこみ上げた。ただ、集中してしまい、ダビングしていた別な作品を止め忘れたのが玉に瑕であったが。

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