エアポート’77 / バミューダからの脱出 – AIRPORT’77(1977年)

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スタッフ
監督:ジェリー・ジェームソン
製作:ウィリアム・フライ
脚本:デヴィッド・スペクター、マイケル・シェッフ
撮影:フィリップ・ラスロップ
音楽:ジョン・カカヴァス

キャスト
ギャラガ─ / ジャック・レモン
スティーヴンス / ジェームス・スチュワート
カレン / リー・グラント
イヴ / ブレンダ・ヴァッカロ
エミリー / オリヴィア・デ・ハヴィランド
ニコラス卿 / ジョセフ・コットン
バチェック / ダーレン・マクギャヴィン
ウォーレス / クリストファー・リー
パトローニ / ジョージ・ケネディ

日本公開: 1977年
製作国: アメリカ J・ラング・プロ作品
配給: CIC


あらすじとコメント

前回の「カナディアン・エクスプレス」(1990)で、ヴェテラン刑事を演じたM・エメット・ウォルシュ。どこかクセのないネッド・ビーティのような気もするが、そのビーティ自身も、どちら様ですか状態だろうが。どの道、両者とも好きな脇役である。そんな彼が、ドクターを演じた、シリーズ作の一本にしてみた。

アメリカ、フロリダ大富豪ステーヴンソン(ジェームス・スチュワート)は、パームビーチにある大邸宅の自宅を美術館として一般公開することにした。そのため、膨大な美術品や宝石をワシントンから、招待客と共に専用機で運ぼうと計画。

機体である新型ジャンボ機747型は大統領専用機にも引けを取らない、贅を尽くしたものだった。機長はギャラガ─(ジャック・レモン)。彼は、恋人でステーヴンソンの秘書イヴ(ブレンダ・ヴァッカロ)に到着後プロポーズをしようと決めていた。乗客は、機体の設計者バチェック(ダーレン・マクギャヴィン)、海洋学者ウォレス(クリストファー・リー)と神経衰弱気味の妻カレン(リー・グランド)などだ。

ところがその裏で、犯罪グループ3名が乗り込み、機をハイジャックして美術品を強奪しようと計画していた。離陸後、犯行グループは計画通り、催眠ガスを充満させハイジャックに成功する。

しかし、レーダー追尾を避けるため、超低空飛行をした結果、海上石油プラントのタワーに接触し、機はバミューダ海溝に着水してしまう・・・

海に沈んだジャンボ機救出を描くヒット・シリーズの第三作。

ある意味、奇想天外な発想のパニック映画。第一作の「大空港」(1970)こそ、ベストセラーの原作だったが、第二作「エアポート’75」(1974)は飛行機同士の空中衝突という突拍子もない発想だった。そこに持って来ての本作。今度はジャンボ機の沈没である。

共通しているのは、たった一人の登場人物であるジョージ・ケネディの存在のみ。

ストーリィは単純で、機内乗客の人間模様と救出チームの苦悩と苦労が描かれる。一応のオールスター・キャストであるが、一番の大物ジェームス・スチュワートは、歳の所為でアクションなど出来るはずもなく、娘と孫を含む乗客たちの心配を陸の上からするしかないという設定。

主役のジャック・レモンは潜水服まで着てコメディ俳優であることを忘れさせるべく熱演しているが、登場人物の誰もがどこか大雑把な演技で、今にも機体が損壊し、海水がなだれ込んで来る恐怖感がイマイチ盛り上らない。

それはひとえに監督であるTV出身のジェリー・ジェイムソンの力量のなさゆえだろう。

そもそも海上の石油プラント基地に接触した時点で、情報が入るだろうし、片肺飛行のジャンボ機が破損することなく着水できるという奇跡。

要はストーリィの整合性など、一切、考えずに金掛かってますよ的アクションと特撮を楽しむ映画なのだろう。

折角、シリーズを通してのパイプ役であるジョージ・ケネディに、ちtっとも見せ場がないのは贔屓筋としては、ことのほか悲しい。

公開当時、映画スズメの間では、そもそもジャック・レモンが機長の飛行機に乗ること自体が間違いなのだと、笑いながら揶揄されたパニック大作。

余談雑談 2013年11月30日
暫く振りにマスコミ試写に出向いた。観たのは「御手洗薫の愛と死」(2013) 飲酒運転で事故を起こした大女性作家が、事件を隠蔽しようと相手の息子に示談を持ちかける。ところが、その息子が売れない小説家だったことから、隠蔽条件として、泣かず飛ばず