このところ、東京は一段と寒さが増した。実家のタバコ屋で店番をしていると、常連の誰もが、「寒い、寒い」と言ってくる。「寒気団が」と言う人あれば、「景気がさ」と言う人と様々で面白い。
でも、そうは言いつつ、このご時世にチェーン店のコーヒーの二倍はするタバコを買ってくれるのだから、有難い話。
実に、有難いのだが、売り上げは落ちている。毎日のように買いに来た方が、来なくなったり、自販機も毎日の補充数が減っている。
来年は消費税も上がるので、当然、煙草の値段も変動する。煙草会社の営業も減員され、ウチのような小規模店には顔も出さなくなった。
とはいえ、常連さんたちは、一向に禁煙する気配を見せない。中には、禁煙に成功し、来店しなくなった人も多いのだろうか。だから、売上も落ちているのか。
現在のところ、違法な商売ではないので、胸を張って営業し続けてはいる。それでも、青色吐息。
そういえば、今年を表す漢字ひと文字が発表された。『輪』だそうだ。どうせなら、『煙』にでもして欲しかったと思うのは、余りにも自己中心的過ぎるだろうか。
しかし、今年の漢字ひと文字。ふと連想したのは、昔、喫煙しながら、煙草で輪を描く、「スモーク・リング」。そんなタイトルの楽曲もあった。
当然、自分にはそんな曲は似合わない。ならば、何が似合うのか。
そうだな、『トンビがぐるりと輪を描いた、ホ、ホ、ホーイのホイ』。なんてね。
今のところ、のどかな年の暮れ。