ローヤル・フラッシュ – ROYAL FLASH (1975年)

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スタッフ
監督:リチャード・レスター
製作:デニス・オディール、デヴィッド・V・ピッカー
脚本:ジョージ・マクドナルド・フレイザー
撮影:ジェフリー・アンスワース
音楽:ケン・ソーム

キャスト
フラッシュマン大尉 / マルコム・マクダウェル
スタンベルグ / アラン・ベイツ
ローラ / フロリンダ・ボルカン
イルマ / ブリット・エクランド
ビスマルク / オリヴァー・リード
クラフトシュタイン / ライオネル・ジェフリーズ
デ・グレ / トム・ベル
グレイグ / アラステア・シム
校長 / マイケル・ホールデン

日本公開: 1978年
製作国: イギリス フォックス作品
配給: 20世紀フォックス


あらすじとコメント

引き続き、マルカム・マクダウェル主演作。若い兵士たちの面前で演説を打つという、前回の「スカイ・エース」(1976)とファースト・シーンが酷似しているので連想する作品。ただし、内容は大分違う。

イギリス、ロンドン19世紀のイギリスとアフガニスタンの戦争で、たったひとり英国国旗を抱きながら生き残り、英雄となったフラッシュマン大尉(マルコム・マクダウェル)。だが、実は幸運が重なっただけの小心者。

ある晩、違法売春宿にしけ込んでいると警察の手入れがあり、慌てて逃げだして飛び乗ったのがローラ(フロリンダ・ボルカン)の馬車。彼女はヨーロッパの有名人と多くの浮名を流す踊り子であり、その晩は、ドイツの野心家ビスマルク(オリヴァー・リード)と同伴だった。

すぐに警察が駆けつけるが、何故かローラはフラッシュマンを連れだと言いだして・・・

小心者の男が小国を乗っ取ろうとする陰謀に巻き込まれる冒険コメディ。

場当たり的で、見栄っ張り。だが、以外と真面目。幸運だけでヒーローになった男は、自分はそれなりの人間だと思い込むと、それなりの立ち振る舞いが出来たりするから始末に悪い。

当然、そういった資質を見抜く策略家もいる。主人公の設定が、どうにもアメリカの『成り上がり』を意識して、英国的シニカルさで味付けしたような主人公に見えた。

女好きで身勝手。それでも常識なりは持ち合わせているあたりが、妙に真面目で憎めない。

設定は1830年代。しかも実在の人物が数々登場し、その誰もが一筋縄ではいかない性格。腹黒い謀略家はドイツ人だし、北欧人にしたって、どこか小馬鹿にしている。

要は、コメディ要素を盛り上げるべくの設定にして、ご都合主義。

こう書くと、くだらない「おバカ映画」と感じるかも知れないが、そこは流石のイギリス映画であり、監督は成程のリチャード・レスター。

ビートルズの映画から、現在でいうMV的作品でブレイクしたが、れっきとしたアメリカ人である。

しかし、監督はイギリスやイギリス人をメインとした映画でこそ、花開くと感じる。

うがった見方で言えば、『憧れ』が強すぎて、イギリス人のように映画を撮りたいと傾倒しているとも感じる。

とはいえ、単に傾倒しているだけでなく、かなり勉強したとも伺える作風。それゆえに80年代以降は、それが裏目にでて、空回りした作品が多い気もする。そこに、職人ではなく、芸術家肌という感性を嗅ぎ取るのだが。

本作は、当時としては斬新であるアクション・コメディとして昇華させようという意気込みが強く感じられ、それでいてアメリカ映画の、良く言えば大雑把さがないように砕身している。

どこか、香港映画ヨロシクのアクロバティックなアクションとも感じるが、それは自分が東洋人だからだろうか。

ということは、サーカスの曲芸的と言い直すべきだろうか。かといって、フランス映画のフィリップ・ド・ブロカ監督とジャン・ポール・ベルモンドの「~の男」シリーズとも違うティスト。

兎に角、多少でもヨーロッパの歴史的背景を知っていれば、更に、うすら笑いを浮かべられるような「くすぐり」もあるに違いない。

正調英国活劇映画の態を取りながら、しっかりと自分らしさをだしていくレスター演出。

踏み外さないバカさ加減と、主演のマクダウェルの品のなさ加減が上手くマッチした異色の冒険活劇作。

余談雑談 2013年12月21日
今年も残すところ、十日となった。漏水は止まっているものの、調査用に開けた天井の穴から風が抜けて、寒くてしょうがない。年内解決に向け、どうにかしてくれとビル管理会社の社長に再三、依頼していた。 そして、やっと上階の独居老婦人の息子さんが、上京