地元の路地裏にあるイタリア・ワインを立ち飲みで出す店。
人気と信頼のフランス系格付ガイドブックで取り上げられ、行列が絶えない立ち食いレストラン形式とは違い、本当にひっそりとやっている店。しかも、駅のホームにあるスタンド型売店のような作りで、風が抜ける中で、今は震えながらの立ち飲みというスタイル。
そこを一人で切り盛りするオーナー兼マスターが、先週イタリアに行ってきた。小さなワイナリーに行き、日本では、そこでしか飲めないワインの仕入れと、彼を可愛がる肝っ玉マンマから新しいレシピを教わるためだ。
思いの外、豪雪だったとかの土産話を聞きながら、そういえば別なイタリアンのマスターも年末年始にイタリアに行き、そのときの旅話を聞いた。
こちらは、もう20年もイタリアを訪れていない。行きたい気持ちもあるが、若い頃と違い、どうにも腰が重いのだ。単純にユーロになり、全てが高額になったのと無料で泊めてくれるイタリアの友人がコスタリカくんだりでピザ屋を始め、ほぼ移住したことも大きい。
恐らく昔と同じような旅をしようとすると倍の金額はかかるのは間違いない。
そんな中、今度は、かつて開店から一年足らずで閉店した、やはり地元にあった元石窯ピッツア屋の支配人と同店のシェフが始めたイタリア料理店。
そこは二人だけで営業している小体な店であるが、フロアを担当していた元支配人が辞め、代わりに来るのが、6年もイタリアで料理を修業していた女性なのだとか。
その女性は、就業ビザでは問題もあり、仕方なく向こうで学校にも入り、料理の修業をメインに居座り続けたが、流石に、これ以上は無理と判断し、帰国せざるを得なかった模様。
見上げた根性だ。彼女が作る料理は、どれほどのものだろうかとこちらの気持ちも、今から踊る。
しかし、その小さな店に行くだけでも、今までの安酒場のような値段では済まない。ランチさえ、1000円もするので一大決心。
これじゃ、実際にイタリアに行くなんて、夢のまた夢だな。