余談雑談 2014年5月31日

先立て、試写に出向いた。久しく行っていない配給会社だったが、いつの間にか六本木から青山に移動していた。

しかも、試写室は国道246号に面した一階。人も車の交通量も多い場所で、重い扉一枚で試写室があり、驚いた。道行く人も、その場所に似つかわしくない人種が、出入りするので不思議そうだ。

で、観たのは「告白」(2010)で物議を醸した中島哲也監督の新作「渇き。」。

主役は人間としてクズな元刑事。彼の元に、離婚した妻と暮らしていた一人娘が、行方不明になったと連絡が来る。美女で聡明な娘だったが、その実態はという内容。

中島監督らしいポップでキッチュながら、完全にスプラッター映画。かなりドギツい場面の連続で直視できない人も多いと感じた。

わざとオーバー・アクトを要求された出演陣も、リアルさを感じさせないためとも取れるが、それでも、かなり凄惨だ。そんな中、特に印象に残ったのは、効果音と音楽の使い方に、妻夫木聡の演技。

監督は、大ヒット中の漫画「進撃の巨人」の映画化が決まっていたが、大人の事情で降板。その鬱憤を晴らしているとも感じた。それは、「嫌われ松子の一生」(2006)での確執が云々された女優、中谷美紀の描き方にも復讐心を嗅ぎ取った。

監督らしいと言えば、それまでだが、何かモヤモヤ感が抜けない印象。

中島哲也よ、どこへ行くのだ。

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