梅雨の晴れ間が続く東京。このところ、自室のあるマンション近くにカフェを発見し、通い始めた。
デザイン学校出身のフロア担当と料理担当の二名で、出資し合って始めた店だそうだ。二人とも、30代半ばぐらいか。
店内は、デザイン校出身者らしく、金はかかってないが、遊び心に満ち、コーヒーは、注文を受けてから、豆を挽き一杯づつ落とす。
料理は、可もなく不可もなくだが何とも心和む空間であるので、時間を潰すには、もってこいなのだ。
開店して一年足らずで、まだまだ認知度は低く、いつも閑散としている。その雰囲気が好きなのだが、その状態では資金も続くまい。
ふと、自分が気に入った店は閉店するという嫌なジンクスが過る。
とはいっても、去年から30代の人たちが、一人ないし二人で頑張る飲食店を知る機会が増えたのも事実。何かしら個性があり、何かに特化している店ばかり。
どの店も、さりげなく頑張っている。中には、雑誌などに紹介され、女性客ばかりになった店もある。そこでは、昼下がりからワインなどを傾け、変わったチーズやイタリア風前菜をつまむ素敵な女性も多い。そうなると、一年中アイス・コーヒーしか飲まぬ自分など、似つかわしくない。
自室近くのカフェでも、年長の客らしく、営業に関して相談をされることが出始めた。
だが、自分が好きで通う店はなくなる。となると、自分が好きじゃない方向を啓示すればよいのだろうか。だとすると、女性客が集まる店になるか。
何だ、その手の店は好きなのに、向こうで、こちらを煙たがるようになるんだろうな。