余談雑談 2014年7月26日

左目の手術が終わった。暫くは眼帯生活だろうと想像してたが、翌日には、通常生活に戻った。

つまり、眼帯なしの生活なのだ。これには驚いた。医学の進歩の早さというか、こちらの情報収集のロビンソン・クルーソーさ加減なのか。

聞き及んではいたが、手術自体も30分もかからずに終了した。部分麻酔薬も目薬スタイルで、歯医者さんには悪いが、そこでの注射よりも、余程ラク。まあ、デンタル・クリニックの場合、麻酔後の、あの重厚なドリルの金属音も、ホラー映画のようなのだが。

手術室は、映画やTVで見るのと同じ作りで、自分の足で歩いていき、幾つものドアを開けて、看護師と共に、奥へと入っていく光景は、まるで、自分が執刀医になった気分であった。

軽めのジャズが流れる手術室で、執刀医による状況の説明を受けながらの進行だったのも驚きだ。

まるでゲームのような進行。ぼやけた『黄色い丸い灯』が三つ見え、レンズを被せて移動させているのか、黄色い灯りの上に、ブルーの点が乗っかったり、微妙にずれたりの繰り返し。じれったくて、心の中で、「そこだ」と声を上げたほど。

やがて、「スタートレック」のワープかのように、黄色と青の灯りが激しく動き、次の瞬間、まるでパン・フォーカスでのハイビジョン画面のような世界が拡がった。そして、すぐにガーゼが被せされた。

その一瞬は、生涯忘れないだろう。まるで、初めてワイド・スクリーンで総天然色映画を観たかのような感動だった。しかも、その色の綺麗さは、コダックか、イーストマン・カラーか。どの道、日本映画の彩色ではない驚き。

で、一夜明けての通常生活だ。とは言え、念のためにゴーグルが支給され、屋内では、常用するようにと。更に、洗顔、洗髪は一週間はNG。水に雑菌があり、それが目に入ると失明の恐れもあるのだとか。右肩の骨折時を思い出し、どの医者も同じで、まあ、脅してくれるもんだ。

あまりにも簡便に事が終わり、礼を述べ外に出た。

そこで、またもや、驚いた。屋外の自然光の世界が、左右で見え方が格段に違ったのだ。

いかにも、新規にレンズを入れました的に左眼はブルーがかったクリアな寒色系の世界。だが、オペをしていない右眼は、セピア系茶色のぼやけた世界。つまり、左がLED照明で、右が蛍光灯なのだ。この違いは、一体、何なのだろう。

梅雨も明け、気温も35度に届きそうな猛暑の世界。しかも、左右で見えるのが別世界。クラクラしたのは、目の所為か、暑さの所為か。出てくるのは暑さの汗か、冷や汗か。

不思議な感覚で帰路に就いた。だが、梅雨も明け、暑いのに、顔も洗えない。

何だか、ホームレスの気分だな。

メルマガ詳細