先週、ハリウッドスターの訃報が相次いだ。ロビン・ウィリアムスとローレン・バコールだ。
TV報道では、圧倒的にウィリアムスばかりであったが、病を気にして63歳での自殺と、89歳で天寿を全うしたというイメージでは、どうしても偏るのは仕方ないのだろう。
実は、ウィリアムスは、あまり好きな俳優ではなかった。やり過ぎ感が鼻に付くことが多かったから。
それでも、好きな作品もある。未公開ながら、ここでも扱った「ハドソン河のモスコー」(1984)だ。ソ連からNYに亡命した楽団員が、夢にまで見た「自由」の本質を体感するヒューマン・コメディで、丁度、発行回数100回目で扱った作品であり、印象に残っている。
しかし、やはりバコールである。大好きなハリウッド女優のひとりで、キャサリン・ヘップバーンと並んで、美人ではないが、クールで『男勝り』。
ハワード・ホークス監督、ハンフリー・ボガート主演の傑作「脱出」(1944)でのデビューが18歳のとき。とても18歳に見えない妖艶さで、ボギーを虜にし、私生活では彼と結婚し、ボガートが死ぬまで添い遂げた。
ハリウッド女優では珍しく、どこかフランス女優的雰囲気を醸し出していたと感じる。
さて、追悼するために、何か彼女の出演作品を見ようと考えた。
で、思い付いたのが、イギリス製冒険活劇の佳作「北西戦線」(1959)。監督は、今回の「隊長ブーリバ」の演出を手掛けたJ・リー・トンプソン。このチョイスも、ボギーとの共演作を選ばないへそ曲がりさ加減があるよな。
ワイド・スクリーン版でワンコインで発売され、小躍りして買い求めたDVDだ。
しかし、それが今は絶版である。やはり、版権問題が発生したのだろうな。だが、500円とは言え、大事なコレクション。
大人買いで17作品も購入した作品群。その全部のジャケットを見直してみて、生きている俳優は誰もいなくなったんだなと、別な感慨に落ちた酷暑の朝。