連休である。しかも、また台風が東京に来襲の模様だ。こういう時は、自室に篭るのが一番。というか、いつも篭っているかもしれぬが。
先立ての台風も、午前中のみで午後からは快晴と相成ったが、かなり強かった。
朝、ずぶ濡れで実家のタバコ屋に行ったが、店番中に真隣のバーの看板が崩落した。見るとモルタルの安普請であり、これじゃ、ダメだなという代物であったが、通行人など誰も居なくて良かった。あれほどの風雨は、テレビで見た沖縄の様子のようであった。
沖縄といえば、先月あたりに、久方ぶりに行きたいと思っていたが、それも叶わず。どうにも今年は、23区から一歩も出ずに終わりそうな勢いの自分。
ならば、ネットで温泉地でも探してみるか。来月は、自分が企画した本が出版され、何かしらのギャラも入るだろうから。
どうせなら一度も行ったことがない場所。そんな場所はいっぱいある。では、視点を変えて、何もなければ、一生行かないであろう場所か。
好きなのは、寂れた感のある温泉街。昭和30年代がそのまま残る所はないか。温泉街の宿がほとんど木造で、とは言わぬが、和モダンとか、数百名収容の大ホテルとかがない温泉街。それに、旨い料理と日本酒。
冬ならば、蟹か、フグか、ノドグロ。といえば、日本海側か。更に絞れば山陰かな、と。
ところがどうだ。運賃合計だけでも、沖縄よりも高額。まったくもう、である。
折角、来月にギャラが入る予定だが、印税計算ではないから、僅かだろう。そんな額じゃ、心配な代金だわな。
何だ、楽しいのは、頭の中だけで、夢は、台風と共に去りぬ、か。