もうすぐ『酉の市』だ。今年は「二の酉」まで。年によって二回あったり三回あったり。
子供時代は、なぜ、回数が分かれるのか不思議だった。毎年入れ替わるのかとも思っていたが、そうでもない。では、祭りのように『本祭り』と『陰』のようなものかと。
理由を知ったときは腑に落ちた。11月の十二支に於ける『酉』の日の回数だ。なるほど、十二日に一度であれば、11月6日以内に、酉の日が来れば、三回あるわけだ。
どの道、幼少のころから、行くなら『一の酉』と教わってきた。なので、二回あろうが三回あろうが、関係ないことになる。どうも江戸っ子の流れを汲む人間は、『初物』が好きだから、いの一番に行けということか。
そう考えれば、またもや腑に落ちる。まあ、もはや絶滅した人種の流れだろうが。
そんな酉の市で買うのが『熊手』。それを『かっこめ』と呼ぶ人もいる。これもある意味、東京の方言かもしれぬ。
これは『掻き込む』が訛ったものだろうが、それだって、急いで食べろという意味だ。
やっぱり「せっかち」なんだな。そこだけは、流れを受け継いでいるのか。
そうそう、ならば忘れちゃいけないのが、「江戸っ子は宵越しの銭は持たねぇ」。
本来は『綺麗に金を使え』ということらしいが、こちらは勝手な解釈をしている。だから、貯金もなく、いつも懐具合を気にしている。それでも、結局、我慢せずに浪費する。
ならば、ストレスはあまり溜まらないはずだが、常に、財布と要相談というストレスを抱えていることでもある。
昨今は、タバコの売り上げも減り、日がな実家で映画を見て、この原稿書きが捗ること。
そもそも、『宵越しの銭』だって、入ってこなきゃ、使えないってことだよな。
何だ、またストレスか。