今日は一月の晦日である。もう、一ヶ月が過ぎたわけで、特段何もない単調な日々の積み重ねであったが、過ぎるものは過ぎる。
でもって、「二月」は『逃げる』、「三月」は『去る』と言われていたが、昨今の若い方には、単なる親爺ギャグにしか聞こえないのだろうか。
今週初め、東京は気温が上がり、桜の咲く頃の陽気だったが、昨日は八分の一の最高気温で、雪まで降った。人生がこんな短期間で激変しては心身ともに堪ったものではないが、それは寄る年波ゆえか。
ただ、移ろいの速さが加速したものは多く、人気商品なり流行のトレンドなり、交通機関でさへ『時短』である。三月には新たな新幹線も開通するし、益々『便利』という聞こえの良い響きが強調される。テレビでは暗い事件が多い中、金沢なりの北陸の魅力を謳う報道が多くなってきた。
しかし、どうにもこの『便利』と『合理的』には、こちらの違和感が加速するのだ。
例えば使用頻度が一番高い、東京メトロの地下鉄銀座線。グッドデザインとか何とかを受賞した新型の車両が登場したのだが、古い車両の黄色を強調し、車内も改善されたタイプなのは、別にどうでも良いが、乗降口を広くしたために座席数が減ったのである。
健康のためには立つのも有効という御仁もいるだろうが、こちらは坐りたいが優先。しかも、「浅草駅」など、観光客が多く、一日中混雑している。中には土産物を多く抱えた人もいるので、他人よりも自分の荷物優先とばかりに平然と両脇に置いている人もいる。
だから、旧車両を見ると多少、ホッとする。ところがどうだ。先立て、駅にデカデカと「銀座線全新型車両へ」とか書かれたポスターを見つけた。その上、事故防止のため、転落防止壁を設置するとか。
確かに安全性を高めることは良いことだ。ただ、個人的には丸ノ内線で実感済みだが、古い駅では天井の低さとホーム幅の狭さで圧迫感がすごいのだ。混んでいる車両に乗る前に、嫌気が差す。
何せ、銀座線は東洋一古い地下鉄路線。そこまでして、利便性とか安全性を強いる必要があるのだろうか。
それに、東京メトロ全路線に路線ごとの色と駅番号を配しているが、これにも難癖を付けたい。銀座線は、黄色い丸い円の中に英数字だがG1が渋谷なのだ。浅草はG19。これは逆だろう。それこそ、『東洋一古い地下鐡道』は「浅草ー上野」だぞ。
何でもかんでも、時代性とか合理的という理由で、歴史を考えずに改ざんしやがって。
まあ、銀座線は3分に1本の割合で走っているし、何とか坐りたきゃ、始発の浅草駅で次を待ちゃ良いだけだよな。