台風が来たり、真夏日一歩手前とかどうにも季節の前倒し感が強い東京。
そんな中、毎年変わらずに同じ時期というのもある。地元で催される「三社祭」である。
先週から、東京では夏祭りが始まった。毎年、催される下谷神社と、二年に一度の神田明神の祭が口火。続いて、次の週が三社祭。
本来であれば、神田明神のように江戸の祭りは二年に一度で『本祭り』と『陰祭り』がある。ところが、いつの間にやら三社祭は毎年催されるようになった。
観光地の宿命というか、そうせざるを得ないということかもしれぬ。担ぎ手が全国から集まり、見物客も、それに合わせて大勢やって来る。
毎年ここで書いてるが、実は、自分は祭りが苦手である。若い頃は、神輿担ぎに熱狂もしたが、ここ20年は、近付きたくもないというか、地元から離れたいと思うほど。
一種のトランス状態というか、狂乱的恐怖を感じるからである。しかも、それが地元の人間によるものではないから、尚更、怖いのである。
既に、祭囃子が街の随所から聞こえ、今日、明日は、あちらこちらから威勢の良い担ぎ声が響き渡る。小学校の同級生も、町会の役員として手伝ったり、単純に担ぎ手に回る者と様々である。
時代と共に変わるものと変わらぬもの。東京の夏祭りで、今年一番興味を引かれたものは、実は、神田明神の祭りであった。
今年は『陰祭り』であるが、何と、TVCMまで流して、ポスターは秋葉原を氏子に持つからか「萌え系」の少女のイラスト。一体、何が起きたのかと目を瞠った。まあ、少しでも祭に興味を持ってくれる人が増えれば、催す方も有難いのだろうが。
確かに、宣伝の効果はあるのだろう。事実、三社祭の担ぎ手も増加した。だが、『賑やかし』的増加で良いのだろうかとも感じる。
主観であるが、三社祭に参加する若者も男子よりも女子の方が威勢が良いと感じる。背の高くスリムな若い男子は、神輿に肩を入れても、腰が曲がり、決して担いでいる態ではないのが多い。
年々、様変わりを続ける江戸の祭り。しかし、「祭り」と「萌え系」。変わるものと変わらぬもの。
天候と同じで、いつの間にやら的にこれが平常になるのであろうか。益々、どこかに逃げたくなる。