困るほど暑い東京。何も東京だけはないが、それにしても暑い。何でも、これほど猛暑日の連続は140年続く観測史上初めてだとか。
世に新しいもの好きの方は沢山おられるだろうが、こういう新手は苦手に違いない。毎朝、徒歩10分の実家まで行くだけで汗だくになり、閉口する。午前8時前に30℃を超えれば、当然だ。
そんな中、自室近くで飲食店の開店が相次いでいる。どこも、元々、飲食店だが、この店はダメだろうな、という雰囲気が漂っていた。案の定、全店が早々に閉店した。
そのあとに入って来ての新規開店。しかも、この時期にである。一軒は「とんかつ屋」。ここは内装にも金を掛け、今のところ、何とか客が入っている。
他に、たった一種類のカレーのみで勝負に出た店と、何故か、東京下町に受け入れられると思ったのか、大阪羽曳野から来た「かすうどん」とやら。
セコい自分が気になるのは、味よりも「価格」である。イメージとしては、どの店も『高い』。家賃や内装といった経費を考慮しての価格設定だろう。
場所は、全店が最寄駅から二分以内という好立地である。ただ、昔から居住する人間は、どこか新参者には排他的な場所でもある。そこいらまで、ちゃんとリサーチをしての出店だろうか。それとも、一見で二度と来ない観光客や場所の割には高いワンルームに引っ越してきた人をターゲットにするのか。
否や、排他的なのは自分だけで、他の諸兄は、既に時代を取り入れて、それこそ「新しいもの好き」で、広い心で常連となっていくのだろうか。
それにしては、とんかつ屋以外は暇そう。尤も、タバコ屋の店番帰りに、前を通るだけなので、他の時間帯は分らぬ。
でも、店を選ぶ嗅覚には長けていると自負しているので、その嗅覚を刺激して来ないのも事実。もしくは異様な暑さで、その感覚も麻痺しているのかもしれない。
事実、実家からの帰り時は、あまりの暑さにしかめっ面で歩いているし、その上、ただ暑いだけじゃなく、湿気にも閉口しての帰路。
体にフィットしたシャツなど着ていると、まるで、顔だけ出して湯船に浸かりながら移動している感がある。要は、皮膚呼吸が出来ないのだ。かといって、裸で徘徊するわけにも行かぬ。そんな状態での店前通過である。
気象予報士によっては、残暑も厳しく、長く続いて、秋が短くなると言う人もいる。勘弁して欲しいものである。
まあ、温泉に行き、浸かっていると思うしかないのか。それでも、何だかな、だよな。沖縄など、東京よりも最高気温が低い日が続いている。これも、何だかなあ、だし。
さて、今日は「立秋」。酷暑の出口は見えてくるのだろうか。先の話だが、来年もこんな夏が来るのか。
その頃まで、新規開店した飲食店が何軒、生き残っているかな。商売にしろ、天気予報にしろ、中々先が読めないし、思った通りには行かぬもの。
飲食店は、味が口に合う客が定着すれば、息の長い店になるだろう。一度は、全店食べてみるか。
でもな、都々逸だと、熱い熱いと言われた仲も三月せぬ間に、あきが来る、てなことを言うけどな。