余談雑談 2016年1月2日

年が明けた。東京は、澄んで穏やかな初日の出で、朝を迎えられた。

何とも身と心が引き締まりつつ、且つ、穏やかな心持ちで、その瞬間に自室の窓から立ち会ったが、実に眼と心に沁みるひと時であった。

雲の上部が橙色に染まり、太陽が立ち並ぶビルの間から、スッと顔を出し、昇り切る頃にはビルの背後に消える。成程、地球は回転していると解る時間の流れ。

これほどハッキリと初日の出が拝めたのは、幸運の兆しだろうか。いつもだったら、そもそもビルの向こう側に日が昇り、上り切ってからしか、拝めないのに。

それでも、その瞬間に合わせ、BGMとして流すのは、何十年も同じである。大好きなジャズ・クラリネット奏者、エドモンド・ホールのデキシーランド・ジャズの名曲「世界は日の出を待っている」だ。

さて、同じ曲で初日の出を迎える行為は変わらないとして、「数え」で歳もひとつ重ねることだし、今年は年初から、長年してきたことを変えてみようと決めていた。

先ずは「初詣」。ガソリン・スタンドの商売をしていた頃は『商売繁盛』とばかり、地元の寺社仏閣はおろか、赤坂、早稲田と都内で二ヶ所も廻っていた。

祖父の時代からなので、廃業後も継続していたが、もはやタバコ屋だけでは、そこまで神頼みをしなくてもな、という結論に達した。

毎年、二ヶ所の初詣後は、高級ホテルでランチという贅沢もしていたが、当然廃止。それでも正月らしいことは欲しいということで、母と相談し、元石窯ピッツァ屋のコックが、実家の程近くに開いた店のイタリアンおせちを注文。これが値段の割には美味で納得。

どうやら食べ物の経費対効果は、今年も継続できそうな予感。

ただ、色々と変化が起きるであろうことも予想される。何も、社会や世界という大規模なことではなく、井の中の蛙的世界で、である。

現在で解っていることのひとつは、昔でいう「浅草の六区興行街」路地裏の立飲みイタリアン・バールの件。

独りで切り盛りしていた厄年前後の男性が両足手術ということで、突然の長期休業が貼りだされ、暫く閉店が続いている。

というよりも、復帰可能なのかと懸念していた。ごく僅かな常連と同業者のみが実態を知っていて、療養中の店主と今後のことを話し合ったと。

で、新たな人間で2月から営業を再開することに決定したと聞いた。

しかも、新店長は、何と自室近くでワインバーを営んでいて、何かと相談を受けていた30代の男性。まだ、未発表だが、現在、自分でやっている店を1月一杯で閉店して、そちらにシフトすると。

確かに、近所のワインバーは、独りで切り盛りするには広いし、家賃も知っているので、激しく同意である。立ち飲みワイン・バーの家賃も何故か知っているし、二人の性格も多少は理解してるつもりなので、何とかなりそうかなと。

となれば、立ち飲みワイン・バーの常連を整理して欲しいと、早速注文。以前の店主は性格上出来なかったが、新店主は、若いが若干頑固。

これが「下町スタイル」とばかりに、店側のコンセプトを無視し、自分らの身勝手な世界観で押し通す輩を多少でも排除し、『粋』で『スタイリッシュ』な立ち飲み屋を目指してもらいたいものだ。

とはいえ、新店主はイタリア未経験。以前は、イタリア話をして楽しんだが、今後はそれで、他の常連が話に立ち入れない雰囲気を出すのは無理だな。

どの道、ハシゴ酒をしていたので、一軒に集約できるだけも幸運だろう。何よりも懐に優しいのが嬉しい。去年に引き続き、旅行三昧の人生にしたいと願っているし。

さてさて今年は、どのような年になるのだろうか。

読者の皆様、どうか身体や懐の健康にも留意していただき、お付き合いの程、今年も宜しくお願い申し上げます。

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