余談雑談 2016年4月30日

いよいよ黄金週間である。今年は日並びが良くなく、飛び石型。それでも途中で、二日休みを取れば十連休とか。

中には連休を利用して熊本方面にボランティアに行く人間も多いらしい。その志と行動力には敬服するばかり。

こちらは、毎日自販機の補充に行き、通常日にはタバコ屋の店番をするだけ。特段、何もしないし、どこへも行かないという例年通りの黄金週間。

となれば、残りの時間は録画済みの番組の消化と相成る。中でも、先月からマイナーなBSで再放送が始まった1976年制作の連ドラが久々の再見ながら感涙モノ。

以後、TVドラマとしては予算をかけ、どんどん派手になる刑事ドラマの大ヒット・シリーズだが、やはり地味な内容の第一シーズンが好きだった。スタッフ、キャストの層が厚く、人間の機微を描くドラマが主体だから。

昨今、情報取得方法も多岐に渡り、テレビ離れが進んで、ドラマも数字が取れないのも事実。だが、それは人間の成熟速度以上に、時代の進化が激しく、それでも必死にエリート意識や、成り上り成功者と思い込む輩が上層部に鎮座し、制作している挙句のこと。

波に乗れるときには乗り、それ以上に頑張って地位を築く価値観は自由だ。それにより何かを忘れるか、捨てざるを得ないとも思うのも自由。結果、自分らは何千万人、何百億円を動かす立場にいる責任がある、と。

鑑賞中の再放送ドラマには、苦悩や苦労の他に、その何かが浮かぶ。それを思い出させるのは、メインの脚本家が倉本總だからだろうか。後に北海道に移住し、大ヒットドラマ「北の国から」を書き、現在も舞台活動で活躍している。ただし、個人的には東京にいる時代の作品群がストレート過ぎず大好きだったが。

少し前だが、その倉本總のインタビュー番組を見た。終戦を体験し東京で活躍したが、現在に至る価値観の推移が性に合わず移住したと。

『日本人は何を忘れたか』という内容で、「100年後の日本人に伝えたいこと」という最後の質問の答えが興味深かった。

たった一言だった。「すまない。こんなことにしてしまって」。

確かに、目立つのは現代人の悪い面ばかりではある。それでも市井の人間たちには、黙って助け合い、被災地にボランティアに行く人もいる。

ただ、心優しい報道ばかりでは単調で面白くないという発想者が、バランスと言いながら、ショッキング映像優先で制作しているから、悪い面ばかりが印象に残るのだろうか。

結局、それに影響されているから、嫌な時代と印象付けられ、自分自身がこんな戯事を書いているのだろう。

それを知った上で、この黄金週間は昔の連ドラを見ようか。

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