キリング・フィールド – THE KILLING FIELDS(1984年)

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スタッフ
監督:ローランド・ジョフィ
製作:デヴィッド・パットナム
脚本:ブルース・ロビンソン
撮影:クリス・メンゲス
音楽:マイク・オールドフィールド

キャスト
シャンバーグ / サム・ウォーターストン
ブラン / ハイン・S・ニョール
ロックオフ / ジョン・マルコヴィッチ
スウェイン / ジュリアン・サンズ
大使館付武官 / クレイグ・T・ネルソン
アメリカ領事 / スポルティング・グレイ
マッキンタイア / ビル・パターソン
ドゥーガル / グラハム・ケネディ
サンズヴァル / アソル・フィガール

日本公開: 1985年
製作国: イギリス エニグマ・プロ作品
配給: ワーナー


あらすじとコメント

内乱を背景にしたジャーナリストの存在。単純に、取材で状況を報道するだけでなく、そこで知り合った人間と、どう関わるのか。前回は子供たちを救出する話だったが、今回は現地人との友情を越えた、強い関係を描いたドラマ。

カンボジア、プノンペン1973年、米軍が支援する政府軍とポル・ポト率いる左派との間で激しい戦闘が繰り広げられていた。

ニュー・ヨーク・タイムズ紙の特派員シャンバーグ(サム・ウォータストン)は、カンボジア人のガイド兼通訳プラン(ハイン・S・ニョール)と常に行動を共にしながら、悲惨で危険な場所の取材を続けていた。

1年半後、彼らは仲間のジャーナリストたちとプノンペンにいたが、ポル・ポト派が優勢になり、遂にアメリカ軍はカンボジアから撤退を開始するという情報を得る。勝手に内戦に首を突っ込んでおいてと憤るが、命が欲しければ、一緒に国外にでるしかない。

しかし、アメリカ側に協力していたプランは、捕れば処刑される。そこで、彼はプランと家族を一緒に連れだせないかと画策を始めた・・・

戦争という悲惨な状況で起きる恐怖と戦慄を描く社会派ヒューマン・ドラマの佳作。

危険な紛争地帯を駆け回り、真実を報道しようとする世界各国のジャーナリストたち。しかし、あくまでも外国人であり、当然、頼れる現地人のサポートが必要。

本作は、特に主人公に協力する現地人が辿る悲惨な運命を追う内容である。

前半は、現地政府側の援助という名目で相手側に踏み込み、自分らの勝手な論理で振り回しておきながら、状況が不利と見るや、勝手にやれとばかり身を引くアメリカという大国の身勝手さをあぶりだす進行。

そういった大国のエゴを知りつつ、取材を続けて、自分らも生死に関わる現場に置かれて行く主人公たちを追う。

カンボジア人のガイドは、自分もジャーナリストだと胸を張り、言葉の通じない主人公らを必死で、それこそ必死に助けて行く。

ジャーナリスト側にも、友情以上の同胞という仲間意識が芽生え、アメリカが撤退を決めると、何としても通訳とその家族たちを脱出させようと仲間たちが手を組んで、それこそ偽造や窃盗という犯罪まで犯して助けようと奔走する。

ところが、妻子たちは成功するものの、ガイド本人には艱難辛苦が待ち構えている。

実話を基にしたストーリィで、主人公の体験談として後にピューリツァ賞を受賞。

ただ、公開当時、あまりにも偏った映像化であり、本作で悪役として描かれるポルポト派を擁護するジャーナリストもいて、議論が巻き起こった問題作でもある。

無残に片足が吹き飛ばされた少年や、ちぎれた肉体や骸骨という目を覆いたくなる映像が、ショッキングに何度も登場してくる。それほど戦争は悲惨であると訴える。

さすがのイギリス映画らしく、かなりドキュメンタリー・タッチ。だが、作劇として中盤以降、現地人ガイドが辿る運命がメインになり、本来、主人公であるジャーナリストの存在が蔑ろにされるので、作品としての一貫性に欠ける。

出演者の中では、ガイド役を演じたハイン・S・ニョールが圧倒的であり、アカデミー助演男優賞を受賞したのも、当然と思わせる演技である。しかも本人は、医師であり、本作で描かれるポル・ポト派に四年間の強制労働を経験させられている。

それゆえの迫真の演技、否や、演技ではなく、実体験の再現なのかもしれない。

やはり、戦争にしろ、内戦にしろ、一番被害を受けるのは、市井の人間と子供たちだと声高に主張する力作。

余談雑談 2016年4月30日
いよいよ黄金週間である。今年は日並びが良くなく、飛び石型。それでも途中で、二日休みを取れば十連休とか。 中には連休を利用して熊本方面にボランティアに行く人間も多いらしい。その志と行動力には敬服するばかり。 こちらは、毎日自販機の補充に行き、