余談雑談 2016年6月4日

久々に、一発で惚れた店を見つけた。実家のタバコ屋から5分の場所にある食堂である。

以前から存在は知っていた。というよりも子供時代からある店で、東京と近県に拡がる店名だけが同じのフランチャイズ系。

そもそも食堂は定食を食べるだけで、少し腰を据えて飲むというスタイルは、若い頃には思わなかった嗜好である。

それを変えたのは、来週行く沖縄だ。正に、その沖縄を連想させた。古くて小汚く、大きくはない店。

気になりだしたのは今年に入ってから。何かに呼ばれたのだろうか。

すりガラスの引き戸で中は見えない。ショーウィンドウには、色褪せたサンプル。値段は、地元でこの価格かと目を疑う。

気にし出すと、入ってみたくなる性分。ところが、何度か店に向かったがやってない。だが、閉店している感じでもない。何故に、と思いながらも、そうなると意地でも入ってみたくなる。

一度、早めに店番を母に頼み、午後一番で向かった。小さく「1時40分に閉店させていただきます」との張り紙。三十分ほどしかないが、ドアを開けた。

瞬間、これだ、と。歴史を感じさせる店内は大好きな雰囲気。黒札に白文字で書かれた品書きが壁にぶら下がっている。その下には黒板にチョークで書いてある日替わり系。しかも小さな文字で20種類以上びっしりと。つまり、メニューも豊富で悩むほど。

ビール大瓶600円、肴は「もやし50円」、「春巻き200円」や、「ハムエック゛200円」。高いもので「イワシの酢漬け450円」、「カツ丼550円」という価格帯。

まだ、こんな店が残っていたのか。働いているのはオバアサンが三名。完璧である。

通いたくなる店なのだが、閉店が2時で、日祝日が休みときやがった。しかも実家と同じ町内会。近隣に面が割れてる可能性が高い自分としては、気が引ける。

その上、どうやらランチタイムは周囲の女性を含めた会社員が、そそくさと食べて出て行くらしい。少し腰を据えて呑みたかったら、もろにその時間帯だ。

これは何の啓示か。折角、何かに呼ばれた店なのに、沖縄のようにゆったりと時間の流れる大らかな場所で、旅の途中の異邦人でもないから、昼間から呑むために頻繁には通えぬ。ただ、あれほどの品数メニューは、片っ端から挑戦してみたくなる。

困ったもんだ。まあ、来週行く沖縄の同じような店で、地元食堂の今後の策を練ってみるか。

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