ヤング・ゼネレーション – BREAKING AWAY(1979年)

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スタッフ
監督:ピーター・イエーツ
製作:ピーター・イエーツ
脚本:スティーヴ・テシック
撮影:マシュー・F・レオネッティ
音楽:パトリック・ウィリアムズ

キャスト
ディヴ / デニス・クリストファー
マイク / デニス・クェイド
ムーチャー / ジャッキー・アール・ヘイリー
シリル / ダニエル・スターン
ナンシー / エイミー・ライト
パパ / ポール・ドゥーリィ
ママ / バーバラ・バリー
キャサリン / ロビン・ダグラス
マイクの兄 / ジョン・アシュトン

日本公開: 1980年
製作国: アメリカ 20世紀フォックス作品
配給: 20世紀フォックス


あらすじとコメント

田舎町の少年たち。前回はロケットを飛ばす話だったが、今回は自転車に賭ける青春が描かれる。仲良し男子四人組それぞれの葛藤と成長を描く佳作。

アメリカ、インディアナ石切り場と大学以外に何もない田舎町。高校を卒業して約一年が経ったディヴ(デニス・クリストファー)や、マイク(デニス・クェイド)ら仲良し四人組。

ディヴは大学目指して浪人中で、他の誰もが就職せず、ただ遊んでいる青春。そんな彼は、イタリアの有名自転車チームに憧れ、自らもイタリア人になりたいと願いながら、自転車で疾走する日常でもあった。ディヴの父親は元石工で、現在はひとりで中古車屋を切り盛りしているが、イタリアかぶれの息子に閉口する日々。それでも、自らの青春を謳歌するディヴ。

ある日、自分らだけが楽しむ山奥の石切り場跡の溜池で遊んでいると、大学生たちが我が物顔でやって来て・・・

閉鎖的な場所で青春を謳歌する少年たちの成長と心意気を描く好編。

最大の産業であった石切り場の閉鎖後、大した働き先もない田舎町。

そんな場所にある大学には、卒業後エリート・コースが待ち受ける学生たちばかりが集っている。当然、地元の住人らは気を遣いながら接している。

何せ、大学生たちは地元住民を見下し「原住民」と揶揄しているのだ。学歴偏重の社会では、何もない田舎町に住む自らを負け犬と認知している大人たち。

主人公たちも同じだ。というか、思春期ゆえ、大人たちよりも露骨に劣等感を抱いている。まるで、そういう現状から逃避するかのように主人公は「イタリア男」になるべく、日常からイタリア語を話し、英語だってイタリア訛りで通すほど。

この田舎町から一切でたことがない父は、そんな息子をまったく理解できない。

主人公親子の断絶と、仲間たちの青春ゆえのジレンマが描かれていく内容。

島国に住む日本人が、実際には訪れたことがない広大なアメリカや、歴史あるヨーロッパにあこがれを抱き、いつかそこで成功したいと夢見る感情に重なり、自らの青春時代を喚起させられる観客もいるに違いない。

そんな主人公は、上から目線の恋人がいる女子大生に恋心を抱く。だが、劣等感からイタリアの交換留学生だと嘘を付いたことから曲折した恋愛事情が絡んでくる展開。

更に、あこがれのイタリアの有名自転車チームが街にやって来てレースに参加すると聞き、日々、訓練してきた自らの腕前を見せようと参加を決める。

地元では連戦連勝で、かなりの腕前というか、セミプロ級の脚力を持っているのだ。

悠然とトップを走るイタリアチームに追いつき、親しげにイタリア語で話しかける。そのために生きてきたようなものだからだ。

だが、現実は冷酷。そこで知る青春の挫折で、人生の価値観が一瞬にして崩壊する主人公。

更に追い打ちをかけるのが、仲間が大学生相手に乱闘騒ぎを起こし警察沙汰になったことから、大学対抗自転車レースに急遽参加し、そこで決着を付けろと相成っていく。

当然、交換留学生と嘘を付いていた主人公は憧れの相手にばれてしまう。しかし、彼の参加なしでは勝機はない。

しかも、地元住人も主人公たちを躍起になって応援するから、主人公の心は益々乱れていく。

そこに来ての父親の変化。元石工で、現在の仕事に満足していない父親が、初めて見せる劣等感と捨ててきた青春の残り香。

そういった閉塞的な場所ゆえの劣等感とあきらめが、終盤の自転車レースに集約されていく。

上手い筋運びと展開で、誰もが自分らの青春時代を重ねるであろう佳作。

余談雑談 2016年10月1日
数十年振りで吉祥寺に行った。高校時代、文化祭で演劇を披露した時の仲間十名弱によるオジサンだけの食事会であった。 開催は年に二回で、幹事は持ち回り。で、今回の幹事が選んだのが、吉祥寺の井の頭公園内にある創作エスニック料理。何とも珍妙な奴で、オ