橋 – DIE BRUCKE(1959年)

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スタッフ
監督:ベルンハルト・ヴィッキ
原作:マンフレッド・グレゴール
脚本:ミヒャヘル・マンスフェルト、カール・W・フィフィア
撮影:ゲルト・フォン・ボニン、ホルスト・フェルハーバー
音楽:ハンス・マルティン・マイエフスキー

キャスト
ハンス / フォルカー・ボーネット
アルバート / フリッツ・ヴェッパー
ヴァルター / ミヒャエル・ヒンツ
ユルゲン / フランク・グラウブレヒト
カール / カール・ミヒャエル・ヴァルツァー
クラウス / フォルカー・レヒテンブリンク
ジギー / ギュンター・ホフマン
フランツィスカ / コルドゥーラ・トランロウ
シュテルン教諭 / ヴォルフガング・シュトゥンプ

日本公開: 1960年
製作国: 西ドイツ ドイッチェ・フィルム・ハンザ作品
配給: 東和


あらすじとコメント

少年と戦争。今回は仲良し7人組が揃って少年兵になるが、残酷な運命の悪戯で現実の戦闘がどれほど悲惨で凄惨であるかを体験する問題作。

ドイツ、中部第二次大戦末期1945年6月の早朝。とある田舎町の外れの橋近くに初めて爆撃があった。敵の侵攻もこんな田舎にまで及び、いよいよ母国の敗戦が濃厚になって来たと誰もが思った。

その地の学校には、16歳の最終学年生徒は、男子7人と女子1名が在籍中。「チビ」と呼ばれる小柄なジギー(ギュンター・ホフマン)は、細々と洗濯屋を営む母親と二人暮らし。他に、職業軍人の家系で、父親は既に戦死した地主のひとり息子ユルゲン(フランク・グラウブレヒト)、ナチスの地区長の息子ヴァルター(ミヒャエル・ヒンツ)、父が母亡きあと若い女性を雇い床屋を営むカール(カール・ミヒャエル・ヴァルツァー)たちだ。

彼らは愛国心に燃え、親や担任らの心配を余所に国家防衛のため、闘志に満ち溢れていた。

町の誰もが避難を真剣に考え始めたとき、遂に彼ら全員に召集令状が届いた・・・

少年たちが体験する戦争を敗戦国だからこその残酷さで描く反戦映画。

思春期の少年たち。長らく続いている戦争で父や家族を失った者も多く、それでも、何とか暮らしている。

ただ、少年たちの親には、それぞれの勝手な「大人の事情」があり、生き残るために必死だ。

そんな大人に影響されながらも、恋人がいる者もいれば、年上の女性に思慕の情を悶々と描いている少年もいる。

だが、もはや母国の敗戦は決定的だと誰もが思っているが、最後の反撃という名目で、戦えそうな男性には総動員命令が下る。

彼らにとっては、ある意味、夢に見た「大人の仲間入り」だと闘志を燃やすが、誰もが本当の凄惨さを知らない。

それ故、あまりにも純粋な彼らを見かねた担任が、司令官に直談判して安全な後方に回すように懇願したことから、逆に、絶望的な現実に直面することになって行く。

善人的な大人たちの思惑が反作用してしまうという皮肉。

結果、一番後方である町外れの橋の守備を任命される少年たち。ところが、戦局は一気に悪化し、泥だらけで疲労困憊の兵士たちが、続々と橋を渡って撤退し始める。重傷兵もいれば、指揮する将校も何らの余裕もない。

そんな「大人たち」の真の姿を見て、彼らの心にも変化が生じる。ただし、それによって士気を鼓舞する少年もいるから厄介なのである。

それでも、少年たちに家に帰れと言い続ける大人も存在する。

身勝手さと優しさを持つ大人たちが対比的に描かれるが、戦争とは残酷であり、善人側が哀れな末路を辿るというシニカルさ。

そういった負の部分を強調しているのは敗戦国だからこその表現だろうが、ドイツ民族の誇りを矜持として描かれる進行は、どこか恐ろしいとも感じた。

純粋な少年たちが、現実を知ることは死に直面することでもあるという、解りやすい反戦映画である。

余談雑談 2016年11月19日
来週は「勤労感謝の日」がある。週の中日の休みだが、連休の方が好きとかいやいや、中日の方がリセットできると仰る人もいる。そもそも、その日に休めない職種だと言う人も昔から大勢いる。 兎に角、日ごろ一所懸命働いている方々のための呼称だろうが、実は