友人ら五名で温泉に行ってきた。栃木県日光にあるが、鬼怒川、川治ほど有名ではない温泉地。
去年、初めて訪れて、思いの外良かったことを宣伝したら、同行希望が数名登場。
一人は癌を三度も体験し、脚を悪くしながらも元気に生きている友人なので、人出の多い紅葉と危ない雪の時期を外したつもりだった。
ところが、誰の行いが良いのか、温泉地自体は、ほぼ散っていたが、途中は目に痛いほどの紅葉。出向いたときは、雨模様だったが目的地に近付くに連れ、回復傾向で靄が紅葉にかかり、幻想的。
しかも翌日は晴天の小春日和でコートもいらぬほど。本当に誰の行いの良さなのか。
宿は去年と同じ旅館というか民宿。温泉地の中でも泉質は良く、大きくはないが室内と露天風呂がある山小屋風。
朝夕食は囲炉裏が並ぶ別棟で頂くが、献立が去年と全く同じなのには笑ってしまった。まあ、過度な期待も、ハズレもなく、ある意味、安心できる宿という印象。
翌日の昼食は、今回のメインでもある「熊鍋」だった。これは自分同様、友人らも一緒。何せ、誰も食べていない料理である。
鍋が出来るまで、ビールを飲みつつ、「山椒魚のから揚げ」を食べて談笑。
下茹でをしっかりした熊肉に大根、人参、白菜と豆腐が入っていた。長ネギがないなと思っていたら、〆のおじやにするときに味を変えるために入れると言われた。
結果、思いの外、美味だった。誰もが醤油味だと思ったが、実は個人の婆さんが作る未発売の味噌が入っており、それがコクを出していた。
でもって、二人前からの完全予約制とはいえ、仕入はどうしているのかと尋いたら、何と、女将さんのご主人が「マタギ」で、自分で撃ってきた獲物を捌くという。
身を剥いだ小熊の皮を見せて貰ったが捌き方も見事で、さすがプロの仕事と唸った次第。しかも、撃つ時は頭を一発で狙うと。殺生するので、ひと思いじゃないと可愛そうだし、体に当たるとその近辺の肉は弾の熱で変色し、食べられないとも。
店内には、鹿の角も多すぎるだと思うほど飾ってあったが、それも狩猟したものだった。
関東でも、マタギがいて、その獲物を食することが出来ると想像はしていたが、実食できて口福至極。
何とも、楽しい週末温泉旅行であった。今回は所用で参加できなかった仲間もいるので、この話をすると、また再訪と相成るのであろうか。
沖縄以外にも、楽しい場所はあると実感した週末。