ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ – DIRTY ROTTEN SCOUNDRELS (1988年)

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スタッフ
監督:フランク・オズ
製作:バーナード・ウィリアムズ
脚本:デイル・ローナー、S・シャピロ、P・ヘニング
撮影:ミヒャエル・バルハウス
音楽:マイルズ・グッドマン

キャスト
ベンソン / スティーヴ・マーティン
ジェイミソン / マイケル・ケイン
ジャネット / グレン・ハドリー
アンドレ警部 / アントン・ロジャース
ファニー / バーバラ・ハリス
アーサー / イアン・マクディアミッド
リード夫人 / ダナ・アイヴィ
パームビーチから来た女 / フランセス・コンロイ
オクラホマから来た女 / ミーガン・フェイ

日本公開: 1989年
製作国: アメリカ オリオン・ピクチャーズ作品
配給: ワーナー・ブラザース


あらすじとコメント

ヴェテランの域に達してからのマイケル・ケイン。彼の貫録を見せつけられるコメディ映画をチョイスした。相手役はアメリカのスティーヴ・マーティンで、何とも楽しい作品。

フランス、コート・ダジュール世界中のセレブが集う、言わずと知れた高級リゾート地。そこに野暮ったい身なりをしたベンソン(スティーヴ・マーティン)が、ふらりとやって来た。彼は家族の不幸話をネタに旅行者から小金を巻き上げるケチな詐欺師。相手らも、大金ではないので簡単に騙されてしまう。

ところが、彼の行為を見た稀代の詐欺師ジェイミソン(マイケル・ケイン)は、当然面白くない。ジェイミソンは、小国の国王だと騙り、国民救済という名目で、有閑マダムから大金をせしめようとする超やり手詐欺師だったからだ。

この地に二人の詐欺師はいらないと、ジェイミソンはアメリカの大富豪の娘で遺産を相続し、この地にやって来た小娘ジャネット(グレン・へドリー)を、どちらが先に騙せるかで、負けた方がここを去るという勝負を持ちかける。

キザでいけ好かないジェイミソンの鼻をあかしてやろうと、彼は喜んで同意するが・・・

二人の詐欺師が互いのプライドを賭けて競う、明るいコメディ映画の佳作。

いかにも小物感あふれるアメリカの野暮ったい詐欺師。方や、抜群の貫録を漂わすヴェテラン。

その二人の丁々発止を描くコメディで、オリジナルはマーロン・ブランドとデヴィッド・ニーヴンが共演した「寝室ものがたり」(1964)。

セレブや、セレブを気取る人間を次々と騙す、二人の正反対の手法を超高級リゾート地をバックに見せつける冒頭部分は、小市民の自分など、妬み満載で、ザマァ見ろ的に笑って見て行けた。

そしてアメリカ大富豪の娘を騙そうとする展開になるのだが、ヴェテラン詐欺師の方が好意を抱いたりするから、ややこしい展開になって行く。

何と言っても、お互いに嫉妬しつつ、自分こそ格上と誇示しようとするマーティンとケインの演技合戦が見もの。

だが、そこはやはり芸歴の長いケインの上手さが際立ってしまう。二人の演技の組み立て方が、まるで、アメリカとイギリスの俳優そのものという態で、国の歴史の流れを感じるし、そのイメージが互いの騙し方にも反映されるので興味深いのだが、やはりケインの貫録勝ち。

この手の「騙し映画」は、観客側も、騙されまいと気合を入れて見て行くものだが、心理サスペンスではなく、コメディとして制作されると、そうは思っても的に引き込まれるから面白い。

特にケインは「探偵スルース」(1972)、「デス・トラップ」(1982)など、騙し映画の佳作に出演しているので、ダメだと思いつつ、それらを連想しつつ鑑賞してしまう。

中には、オチを想定できる人も多いとも思うが、それでも、最終のオチは、思わず膝を叩いた。

軽い気持ちで見られる、何とも楽しいコメディとして成立してる作品。

余談雑談 2016年12月31日
大晦日だ。そして明日の元旦は日曜。もしかして三箇日だけ休みで四日から仕事という人も多いのか。 それとも働き方も変わり、ノンビリと過ごしたり、在宅ワークでという人もいるのだろうか。 こちらは相も変わらず。実はこれが一番ラクなのかもしれぬ。それ