がちょうのおやじ – FATHER GOOSE(1964年)

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スタッフ
監督:ラルフ・ネルソン
製作:ロバート・アーサー
脚本:ピーター・ストーン、フランク・ターロウ
撮影:チャールス・ラング jr
音楽:サイ・コールマン

キャスト
エックランド / ケーリー・グランド
カテリーヌ / レスリー・キャロン
ホートン / トレヴァー・ハワード
ステブリングス / ジャック・グード
ジェニー / シャリル・ローク
クリスティン / ヴェリーナ・グリーンロウ
アン / ピップ・スパーク
エリザベス / ステファニー・ベリントン
ハリエット / ジェニファー・べリントン

日本公開: 1965年
製作国: アメリカ グラノックス作品
配給: ユニバーサル


あらすじとコメント

前回の「砦の29人」(1966)はラルフ・ネルソン監督としては失敗作だった。なので、今回はアタリの作品を紹介。仙人というか、へそ曲がりな男が主人公のコメディ。

南太平洋、オーストラリア近海第二次大戦下、日本軍がシンガポールを攻略したころ。いよいよオーストラリア上陸も視野に入ってきて連合軍は劣勢状態。

そんな状況など、一切関知しない自由人エックランド(ケーリー・グラント)は、混乱中のある港に自家用船でやって来た。どこか貧乏くさい男で軍の荷物を勝手に積み込もうとした。

それを認めた港長のホートン中佐(トレヴァー・ハワード)は、ニヤリと笑うとエックランドの元へ行き、臨時で、とある島の通信監視員をしろと告げる。当然断るが、ならば船を没収すると。

仕方なく同意するが、彼の性格を知るホートンは、赴任先の島近くまで哨戒艇で同行し、更に彼の船にわざとぶつけ、破損させてしまう。文句を言いながらも着任するしかなくなるが、数日後、船の修理が出来る監視員が別な島にいると連絡が入る。

しかも、その島は日本軍に包囲されていて彼の命は風前の灯だとホートンに言われて・・・

世捨て人のような男を取り巻く珍妙な人間模様を描くコメディ好編。

人間嫌いな主人公が無人島での敵機監視員にさせられる。一刻も早く逃げだしたいと思っているが、友人でもある港長の方が一枚も二枚も上手で、がんじがらめに縛ってくる。

しかも、敵の上陸目前という別の島にいる監視員を助けに行けと命令。港長にわざと破損させられた自分の船を修理できる相手だからと。

仕方なく小さなボートで向かうと、何と、そこで見つけたのはフランス領事の娘と彼女が教える女の子七人。何でもアメリカの輸送機で退避中、洋上から救助要請が入り、危険なのでここで降ろされたと。

当の監視員は死亡しており、やむなく自分の島に連れ帰らざるを得なくなる。

結局、女性陣にタッグを組まれ、疎外というか、まるで召使のように、こき使われて行く展開。ただし、主人公とフランス女たちの共通目標は、一刻も早く、この島からでること。

お人好しというか、真面目な性格なのか、港長や女性陣に丸め込まれ、踏んだりけったりという主人公を、イメージぴったりのケーリー・グランドが演じるから何とも面白い。

イギリスの名優トレヴァー・ハワードも飄々とした演技で微笑んでしまうし、フランスのミュージカル女優レスリー・キャロンも愛くるしい。

また、邦題ではピンと来ないが原題の「ファザー・グース」は、英米の有名な童謡集「マザー・グース」の男版というか、その中の幾つかにインスパイアされていると言う方が理解しやすいだろうか。

玉石混合のラルフ・ネルソン監督作品だが、これはアタリの部類であり、どこかご贔屓監督ハワード・ホークスの作品かとも感じてしまうほど。

アル中気味の主人公を服従というか、都合良く使う手段としてのウイスキーの扱い方や、細かいギャグも散りばめ、且つサスペンスもあるという娯楽作品として上手く仕上がっている好編。

余談雑談 2018年4月28日
沖縄の久米島へ行ってきた。そこに二泊、帰りは本島の那覇に一泊という割安ツアーである。 同行者が一名で、飲み仲間であり、一緒の沖縄旅行は三度目だ。何でも久米島に学生時代の友人が移住しているので会ってみたいと。 当然、行く何日も前から子供の遠足