さらば友よ – ADIEU L’AMI(1968年)

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スタッフ
監督:ジャン・エルマン
製作:セルジュ・シルベルマン
脚本:セバスチャン・ジャブリゾ、J・エルマン
撮影:ジャン・ジャック・タルベ
音楽:フランソワ・ド・ルーベ

キャスト
バラン / アラン・ドロン
プロップ / チャールス・ブロンソン
イザベル / オルガ・ジョルジュ・ピコ
ドミニク / ブリジット・フォッセー
メローティス警部 / ベルナール・フレッソン
ムラーティ / ミッシェル・バルセ
カトリーヌ / マリアンナ・フォーク
人事部長 / アンドレ・デュマ
マルタ / エレン・バル

日本公開: 1968年
製作国: フランス S・シルヴェルマン・プロ作品
配給: ヘラルド


あらすじとコメント

今回も、どこか同性愛を感じさせる作品を選んだ。ただし、人間ドラマや苦悩ではなく、男の友情的フィルム・ノワール。脇役専門だったチャールス・ブロンソンの出世作。

フランス、マルセイユアルジェリアでの戦争が終わり、次々と兵士が帰還してきた。

その中に軍医であるバラン(アラン・ドロン)がいた。他にもアメリカ人傭兵であるプロップ(チャールス・ブロンソン)もいて、バランに話しかけてきた。戦場を渡り歩くプロップはコンゴで儲け話があり、15名ほど必要だが、それには医師が必要だと。バランは断った。それでも、諦めないぞという不敵な笑みを浮かべるプロップ。

そんな彼を無視して歩きだすと、今度は出迎え者の中のイザベル(オルガ・ジョルジュ・ピコ)が彼に話しかけた。人を探しているの、バランという軍医なんだけど、と。自分だと名乗るが、その相手女性とは面識はなかった。不思議に思うが、彼女がパリから車で来ているというので、自分もパリに行くからと運転を買ってでた。

パリに到着し、彼女と別れようとしたとき・・・

正反対の男同士が大金に目が眩んで犯罪を起こそうとするサスペンス作。

クールで二枚目の元軍医。ニヒルに、兵士の命を助けてはまた死んでもらうために戦場に送り返す職業だ、というようなシニカルなタイプ。

方や、何を考えているのか解らぬが、傭兵としては負け戦ばかりに参加してきた、不敵でタフそうなアメリカ男。そこに謎の美女が絡んで来て、地下金庫にある大金を盗もうとする展開と相成っていく。

クリスマス休暇の数日間、地下室に籠り、暗証番号を探りつつの強奪である。

全部で七つあるうちの三つの番号しかわからず、ならば全組み合わせをしようという無謀な計画ではあるのだが。

しかも、相容れない二人が喧嘩しつつも手違いから閉じ込められ、水や食料にも事欠くサスペンスが加味されていく。

何とかギリギリで金庫が開くが、その後に思いもよらぬ展開が待っているという起伏に富んだストーリィ。

どこか同性愛的匂いがするのだが、それまでは単なる脇役にすぎなかったブロンソンが、二枚目を気取るドロンを完全に喰って、以後、スターダムを伸し上がっていったのだから面白い。

グラスなりコップに満杯に入った液体にコインを五枚こぼさず入れていくというのが趣味のブロンソンの設定など、クールさで頑張るドロンより、苦労人という風情が際立つので当然かとも感じた。

演出自体は凡庸だが、やたらと筋肉美を披露する男二人と、ドロンに絡むタイプの異なる女性二名の扱い方など、内容によって観て行けるタイプの作品でもある。

ただし、警察の扱いやら、始めの部分でのブロンソンのビジネスのくだりなどは雑で余計だとも感じるが。

男臭いフィルム・ノワールであり、相容れない同士だからこそのホモセクシャル感など、不思議なティストを醸しながら進行する内容は、それまでとは少し意匠の変わった作品でもあると感じる。

余談雑談 2018年10月13日
沖縄滞在中だ。ここでは毎回、何かが起きるのだが、今回もで、何だかな、である。 到着初日は、那覇で呑んだ暮れ。これは予定通り。で、今回は修学旅行生受け入れで宿泊不可の渡嘉敷島ではなく、程近い「阿嘉島」に二泊がメイン。 飛行機乗換えで石垣や宮古