年が明けた。東京は穏やかな天気で、自室から雲が多いながらも初日の出が拝めた。
皆さんは、どう過ごされたのだろうか。こちらは、初日の出を見た後、混雑前の地元の氏神様へ初詣。何せ、11時から交通規制で車両は一切通行禁止になり、地元は完全封鎖される。
まるでハロウィーンの渋谷のスクランブル交差点の如き。まあ、こちらは大騒ぎする輩がいないのが幸いだが。確かに全国の初詣参拝者数トップ10に毎年入るから、しょうがない。
それから実家へ行き、自販機の補充をして、昔馴染みの飲み屋で一杯だけ新年のご挨拶に向かう。
そこには「カンカラ三味線」なる自作楽器を持ち、大正から昭和の歌を流しで唄う若者が。彼のファンというご夫妻も陣取っており、何だかアウェイ状態でもあった。
何よりも、「流し」には『門付』が必須なので困惑。頑張っているが、上手いとか好きとかは別。新年早々、こちらの意に反する出費はしたくない。なので、すぐに退散。
最短距離は通行不可なので、少し遠回りして帰路へ。途中、「おみくじ」を買って、結ぶ人を多く見かけたが、吉か凶が出るかだって、ギャンブルさ。なので黙って通り過ぎる。
今度はバスツアーの団体が幾つも目に入る。ガイドは決まってフラッグを持って先導していた。
考えたら、三角フラッグというか、ペナントって見なくなったよな。昔は観光地や景勝地の土産というとそればかりだった。今じゃ、マグネットの方が主流だろうか。確かに、旗よりは貧乏臭くないとも思う。
で、海外旅行の土産の定番は「煙草一箱」か「キーホルダー」。それも絶滅した土産物だな。
もう40年も前になるが、初めてイタリアに行ったときに自分用の土産として買ったものを思い出した。車に貼る国識別ステッカー。
日本では意識してなかったが、あちらでは陸続きのため、後部に貼っている車両を多く見かけた。「I」イタリア、「F」フランス、「GB」イギリスで、日本は確か「J」。
そこいらは理解できる。でも、三文字は見たことがなかった。「RSM」である。
バチカンに次いで世界第2位の小国『サンマリノ共和国』だった。成程、イタリア国内にある国。
滞在先のボローニャから100キロ。友人に頼んで連れて行ってもらい、山道の決して観光客向けでないオート・ショップに飛び込んで買った。
いつかイタリア車を買ったら、貼り付けようと。到頭、それは袋に入ったまま現在でも埃を被った箱にある。
まさか、ペナントのように壁に貼るのも忍びない。マグネット代わりに冷蔵庫に着けるのも嫌だよな。
新年早々、一生使わないくせに、捨てるに捨てられないものを思い出し、挨拶に出向いた酒場では、門付が惜しくて、早々に退散。
一体、どんな年になるのやら。
どうか、読者の皆様、今年もご贔屓下さいますようお願い申し上げます。