お前と俺 – LITTLE FAUSS AND BIG HALSY(1970年)

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スタッフ
監督:シドニー・J・フューリー
製作:アルバート・S・ラディ
脚本:チャールス・イーストマン
撮影:ラルフ・ウールジー
音楽:ジョニー・キャッシュ

キャスト
ノックス / ロバート・レッドフォード
ファウス / マイケル・J・ポラード
リタ / ローレン・ハットン
ファウスの父親 / ノア・ベリー
ファウスの母親 / ルシール・ベンソン
カメラマン / レイ・バラード
モネス / リンダ・ゲイ・スコット
シルヴィーン / エリン・オライリー
ニフティ / ベン・アーチベック

日本公開: 1971年
製作国: アメリカ A・S・ラディ・プロ作品
配給: CIC


あらすじとコメント

ロバート・レッドフォード主演作で続ける。二枚目で、既に日本では大人気だったが、あまりメジャーではない作品を選んでみた。恐らく、彼のキャラ設定に困惑した女性ファンも多かった作品。

アメリカ、アリゾナとある田舎のオートバイ・レースに参加している地元のファウス(マイケル・J・ポラード)は、若干、頭が弱いがメカには強い青年である。

そこにセクシーな美女と、どこか生意気そうでトッポいノックス(ロバート・レッドフォード)が、ダッジ・トラックでやって来た。文句ばかり言いつつ、ファウスに話しかけてきた。嫌な印象が勝ったので無視するが、レース後、彼が勤めるバイク店にやって来て、万引きをしようとする。咎めると、平然と彼を言いくるめる始末。

その上、無理矢理ファウスにビールを飲ませ酔っ払わせると、二人して荒野で暴走を始めた。困惑するファウスだったが、初めて出来た友人であり両親に引き合わせた。だが、親たちは一瞬にしてノックスの性格を見抜く。

それでもノックスは、一緒に旅をしながらバイク・レースに出場しようと誘って来た。またまた困惑するが、そこには裏があり・・・

若者二人の友情とコンプレックスを描くロード・ムーヴィー作。

好き勝手にさすらう二枚目の男。田舎では、そんな不良じみた色男に簡単に籠絡される女性も数多い。

それを良いことに遊んでは捨て、気儘というか、かなり身勝手に旅する男。元々はバイク・レースの賞金で暮らしていたが、現在は免停中でレースに参加は不可。

そこで考えたのがいかにも田舎者の青年とコンビを組み、彼の名前で出場し途中で入替り、腕には自信があるから勝ったら山分けで行こうと。

ただし、どこまで信用できるかは未知数でもある。しかし、友人もなく、田舎からでない片方は、女性をとっかえひっかえする二枚目に憧れ、モテテクも伝授、というかおこぼれに預かれるかと期待も膨らむ。

結果、転戦していくのだが、途中で変わり者の女性が同行することになって、ややこしくなっていくという展開である。

アメリカの田舎を舞台にしたヤンチャな二枚目とお人好しというか、どこか抜けた凸凹コンビと男好きなヤンキー娘たち。

ありがちな内容であり、そこにバイク・レースを持ち込んでの進行に目新しさはあるのだが、二人の心情がカントリー歌手ジョニー・キャッシュの歌に乗せて説明されるので、直接過ぎ、どうにも安っぽい。

観客に委ねるというよりは意図を押し付けてくるという印象でもある。

かつて関係のあった女性二名がバッティングしたら、三人で一緒に楽しもうと平気で言うレッドフォードのヤラシイ演技や、その時は外され寂寥感に襲われつつ複雑な表情を浮かべるポラードの相対的な演技は上手くバランスが取れていて、観る側は身勝手で口八丁手八丁な男に翻弄されながら、自分を見いだしていく相棒のスタンスに寄り添っていくことだろう。

逆に、当時、そんな役を演じたレッドフォードに落胆した女性ファンも多かったが、だからこそ、レッドフォードはこの役を受けたのだろうとも感じる。

確かに演技派の二枚目だが、脇に徹したポラードの、いかにも彼らしい、脇で主役を喰う演技は興味深い。

ニュー・シネマの「自分探し」というありがちな内容ながら、アメリカだからこそのジレンマを感じさせる作品。

余談雑談 2019年1月19日
二ヵ月前か。区内循環ミニバスで運転手をしていた後輩と三十数年振りに再会した。 そんな彼から連絡が来て、一献傾けることに。元ガソリンスタンドの同業者で、自分より前に閉店した奴。尋くと当時からコックという夢があり、廃業後に修行でフランスに渡った