ローズマリーの赤ちゃん – ROSEMARY’S BABY(1968年)

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スタッフ
監督:ロマン・ポランスキー
製作:ウィリアム・キャッスル
脚本:ロマン・ポランスキー
撮影:ウィリアム・フレイカー
音楽:クリストファー・コメダ

キャスト
ローズマリー / ミア・ファロー
ウッドハウス / ジョン・カサヴェティス
ミニー / ルース・ゴードン
カスタヴェット / シドニー・ブラックマー
ローマン / シドニー・ブラックマー
サパスティン博士 / ラルフ・ベラミー
ハッチ / モーリス・エヴァンス
アンジェラ / ヴィクトリア・ヴェトリ
ニクラス / エリシャ・クックJr

日本公開: 1969年
製作国: アメリカ W・キャッスル・プロ作品
配給: パラマウント

あらすじとコメント

今回も女優ミア・ファロー主演でニュー・ヨークが舞台の作品にしてみた。大都会での孤独を描いた点では同じだが、本作は身の毛もよだつオカルト・ホラーの佳作。

アメリカ ニュー・ヨーク売れない俳優ウッドハウス(ジョン・カサヴェティス)と妻のローズマリー(ミア・ファロー)は、古いマンションに引っ越すことを決めた。

だが、そこは子供を食べた姉妹が所有していたという噂のある物件。それでも、そんなことは噂話だと自分らの趣味に内装を変え、そろそろ子供も欲しいと幸せな日々を送りだす二人。ところが、ローズマリーが地下の洗濯室で知り合った隣室の女性が、直後、飛び降り自殺をしてしまう。いきなり恐怖の洗礼で驚く二人。

その女性は孤児で、老夫婦と同居していたので慰めるつもりで話しかけたら、以後、頻繁に二人から厚かましいほどの近所付き合いを始められる。閉口するローズマリーだが、主役のオーディションで落ちた亭主の元に連絡が来る。

、主役俳優が原因不明の病気で失明したので、急遽、主演に抜擢された、と・・・

不気味な人間たちにおぞましい体験を余儀なくされていく新婦を描くホラー。

有名俳優になりたいと願う亭主と貞淑な妻。そこに親切というよりは強引に近寄ってくる老夫婦。

ある夜中、ヒロインは亭主や老夫妻らに歓喜の眼で見つめられながらグロテスクな悪魔に犯される夢を見る。

以後、妻の体調に変化が起きていくというストーリィ。

やがて妻の妊娠が発覚。すると周囲から、産婦人科医を有名な博士に変更させられ、隣人の老婆からはビタミン剤代わりと自家製の妙な飲み物を飲むように強く勧められる。気味が悪いと思いながらも流されていくヒロイン。

観客側は亭主を含め周囲の人間たちがどうにも怪しいカルト教団的対応を取っていると確信させられるが、ヒロインは情緒不安かもしれぬと思い込む。

ところが、お腹に激痛が走るなど、心身ともに変調をきたしていく姿を真綿で首を絞めるが如く見せ付けてくる進行。

果たしてヒロインが置かれている立場は被害妄想なのか、それとも「おぞましい事実」なのか。

ヒロインを演じるファローの妊娠中にもかかわらず、段々と痩せ細っていく演技が、神経質且つ過敏症を際立たせて見事。

ポランスキー演出も、彼の異常性を匂わせて面白い。

突拍子もないタイミングでショッキングなショットをインサートして驚かそうとするテクニックではなく、じっくりと、生理的に嫌なリズム感で紡いでいく印象。

ヒロインが事実に気付き始め、やがて真実と確信する場面など、彼女自身が精神錯乱になったとも感じさせ、緊張感と背筋が凍りつく感覚でラストに向う。

特にラストのラストのヒロインの表情のアップは、実におぞましい。

個人的に心の中で、そこはズーム・アップではなく、ズーム・ダウンだろうと叫んでいた。

何ともポランスキーらしい異常性を嗅ぎ取れる佳作。

余談雑談 2019年4月20日
平成最後の旅で沖縄滞在中。今回は、渡嘉敷島と先月同窓会で数十年ぶりに会った友人との再会がメインの旅行。 ところが、到着後すぐに洗礼。出発時にネットで調べたら夕方から雨予報だったが、昼前から雨。夜には現地の人も驚くほどの激しさになりやがって絶