ガール・フロム・リオ – GIRL FROM RIO(2000年)

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スタッフ
監督:クリストファー・マンガー
製作:アンドレス・ビセンテ・ゴメス、M・サザーランド
脚本:クリストファー・マンガー
撮影:ホセ・ルイス・アルカイネ
音楽:ロケ・バニョス

キャスト
ウーチ / ヒュー・ローリー
パウロ / サンティアゴ・セグーラ
オルリンダ / ヴァネッサ・ヌネス
キャシー / リア・ウィリアムス
ビシェロ / ネルソン・クサヴァー
ストラザース / パトリック・バーロウ
アルバート / ヒュー・ロイド
ビグロー / ジョン・ジャンキン
ホテル支配人 / フリオ・リヴィ

日本公開: 2002年
製作国: イギリス、スペイン ローラ・フィルム作品
配給: シネカノン


あらすじとコメント

前回「黒いオルフェ」(1959)の舞台になったリオ・デ・ジャネイロ。以後、サンバやボサノバ音楽が世界を席巻し「リオのカーニヴァル」も世界的に認知された。今回はそこで繰り広げられるいかにもイギリスらしいブラックに満ちたコメデイを紹介する。

イギリス、ロンドン銀行員ウーチ(ヒュー・ローリー)は、仕事中でもサンバ雑誌を盗み読みするほどのサンバ狂。それが高じて、市民サークルの「サンバ教室」教師までしていて、現在は雑誌に載っていたダンサーオルリンダ(ヴァネッサ・ヌネス)に夢中。

しかし、仕事には身が入らず、怒った上司に金庫係への移動を命じられた。クリスマス直前での移動に怒り心頭だが、所詮、身からでた錆。その上、家庭では上昇志向の強い妻に文句を言われる始末。しかも妻は、彼の上司と不倫中。

そんなこととは露知らず、いよいよクリスマス休暇がやって来た。一足早く旅行に行くという上司に閉店業務を委託されるが、何と妻が同行する現場を見てしまう。

これは身からでた錆以上の仕打ちだと、意を決した彼は行員を全員退出させた後に大金を横領すると、一路空港に向かった・・・

不運な銀行員が巻き起こす騒動の顛末を描くラブ・コメディの佳作。

冴えないゆえに上司にコケにされ、その上司と不倫中の妻には開き直られ、挙句は大金横領。

そんな主人公はブラジルへ飛び、憧れのダンサー探しに乗りだす。そして偶然乗ったタクシー運転手が地元ギャングに借金があり、あれよあれよと、お決りの巻き込まれ型展開。

とはいっても彼自身横領犯。しかもタフさの全くない、しがない中年男だ。

だからコメディなのだ。しかもイギリス製の。

日本では風光明媚さと陽気なサンバのリズムという印象が強い国だが、治安の悪さも指摘されるブラジル。

その権化といわれる貧民窟が登場してくるのも興味深い。成程、明るく陽気なだけではないと。

そして、真逆のコパカバーナ海岸を一望できる超高級ホテルのスイート・ルーム。

その双方が舞台となる進行。セクシーな美女ダンサーの正体やら、相棒となる小太りのタクシー運転手、オネエっぽいギャングのボスなど、強烈なサブキャラが登場し、真夏のクリスマスを迎えているブラジルのリオで話が転がる愉悦。

意表を突く展開はないが、逆に安心して観て行ける進行。ラストの落とし所も、ご都合主義を感じるが、それでも成程と膝を叩いた。

主役を筆頭に、有名俳優など一切出演してないが、だからこその妙味をも感じた。

この手の映画は陽が当たらないのが残念なのだが、こういった作品を発見する喜びも映画好きとしては堪らない。

日本でも一応、劇場公開はされたが、それでも東京で単館上映二週間であり、残念ながら国内DVDもでていない。

なので、存在すら知らない人が多いだろうが、いかにもシニカルさが滲む正調イギリス製ラブコメとしては、上手く出来ている作品。

余談雑談 2019年11月9日
案の定か。自室使用のノート・パソコンの具合が宜しくないのでPCに詳しい後輩を呼んだ。 キーボードが何ら反応せず、一切文字が打ち込めなくなったから。色々と調べてもらったが、やはり作動せず。 緊急措置として、実家で煙草のオーダー用に置いてあった