弾丸特急ジェット・バス – THE BIG BUS(1976年)

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スタッフ
監督:ジェームス・フローリー
製作:L・J・コーエン、フレッド・フリーマン
脚本:F・フリーマン、ローレンス・J・コーエン
撮影:ハリー・ストラドリング Jr
音楽:デヴィッド・シャイア

キャスト
トランス / ジョセフ・ボローニャ
キティ / ストッカード・チャニング
スコッティ / ネッド・ビーティ
オブライエン / ジョン・ベック
クドス神父 / ルネ・オーベルジョノア
シヴィル / サリー・ケラーマン
アレックス / スチュアート・マーゴリン
老婦人 / ルース・ゴードン
アイアンマン / ホセ・ファラー

日本公開: 1976年
製作国: アメリカ コーエン・フリーマン・プロ作品
配給: パラマウント CIC


あらすじとコメント

『車』が重要なファクターで大掛かりなコメディで繋げる。製作当時大流行だったパニック映画要素を取り入れた豪華作なのに、どこかB級感溢れる作品。

アメリカ、ニュー・ヨーク世界初の原子力エンジンを積載した超大型豪華バス「サイクロプス」号が開発されていた。

それはニュー・ヨークとデンバーの間をノンストップで走る夢のようなバスであり、二両連結で、ピアノ・バー、ボーリング・レーン、プールまで付いた客船並みの豪華さを誇るものでもあった。しかも一度に100名以上の客を乗せられ、自動洗車装置や、走行中のタイヤ交換可能という最新設備も取り付けられている。

しかし、バスが完成すれば石油産出国には大打撃なので、一部のアラブ系過激派が完成阻止に暗躍していた。いよいよ完成間近というときに爆発事故が起き、研究責任者と正副運転手が大怪我を負ってしまう。

仕方なく開発責任者の娘キティ(ストッカード・チャニング)が指揮を執るが、敏腕運転手が必要だった。

だが、たった一人の候補者トランス(ジョセフ・ボローニャ)という男は・・・

夢の超大型バスが巻き起こす大騒動を描くパニック・コメディ。

原子力バスという、アメリカでしか考えられない設定にして、とんでもないキャラクターばかりが登場してくる作品である。

そこに大ネタ小ネタを散りばめ、それなりの大作感を醸そうとしながらノンストップで繰り広げられる展開。

確かに「原子力」であるので、飛行機の緊急措置案内と同じく、乗務員が説明すると、頭上から放射能防護服が降りてきて、直ちに着用してください、だと。

「大空港」(1970)に始まるパニック映画の要素を散りばめ、音楽もいかにもパニック大作風だし、登場人物も、自分の信仰心に疑問を抱く牧師、ジャンパー姿にキャップを被り、葉巻を咥える太った安全運行担当、曰くありげな老婦人など、どこぞのパニック映画で登場してきたタイプばかり。

新しいキャラとしては、腕っぷしは滅法強いが窮地ですぐに失神する副運転手とか、すぐに辞めると言いだす主席開発技師あたりは面白い。

実物大の二両連結のバスを製作し、実際に走行させる辺りは、大作感があるが、キャスト陣がどうにも線が細く、『超豪華大作』の印象はない。

恐らく、実物大の二両連結バスの製作費に予算のほとんどを費やしたと思われる。

それだけに迫力もあるが、当然街中でのアクションでなく、田舎道や断崖の場面で事件が起きるというのも苦肉の策だろうか。

コメディらしく、キャスト陣は皆、大袈裟な演技で収拾が付いていないし、笑いのツボも違うので、苦笑にしかならない場面もあるが、それでも、それなりに頑張っているのは評価できる。

今だとほとんどがVFXで表現されるだろうが、やはり、この時代の『金掛かってます』な映画は、妙な郷愁と共に、味がある。

とはいっても、佳作という類ではないが。

余談雑談 2020年1月4日
年が明けた。読者の皆様は、どのような年末年始をお過ごしになっていらっしゃるのだろうか。 こちらは、今から嫌な感じ。そもそも年末最後の発行も、無線ルーターの受信がままならず一苦労。またもや発行前に外の廊下を右往左往して受信状態がマシな場所を探