ローマの休日 – ROMAN HOLIDAY(1953年)

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スタッフ
監督:ウィリアム・ワイラー
製作:ウィリアム・ワイラー
脚本:イアン・マクラレン・ハンター、ダルトン・トランボ 他
撮影:フランク・F・プラナー
音楽:ジョルジュ・オーリック

キャスト
アン王女 / オードリーヘップバーン
ブラッドレー / グレゴリー・ペック
アーヴィング / エディ・アルバート
将軍 / トゥーリオ・カルミナルティ
支局長 / ハートリー・パワー
美容師 / パオロ・カルリーニ
ヴィアバーグ伯爵夫人 / マーガレット・ローリングス
大使 / ハーコート・ウィリアムス
タクシー運転手 / アルフレード・リッツォ

日本公開: 1954年
製作国: アメリカ パラマウント作品
配給: パラマウント


あらすじとコメント

「大いなる西部」(1958)のウィリアム・ワイラー監督と主演グレゴリー・ペック。このコンビとくれば、本作が世界中で有名だろうか。成程と頷ける世界から愛される金字塔的名作。

イタリア、ローマ某小国のアン王女(オードリー・ヘップバーン)が、ヨーロッパを親善訪問中であった。その美貌と聡明さから、彼女の一挙手一投足が世界中にニュースとして流されている。

毎日分刻みのスケジュールをこなす王女であったが、ローマでついに心身ともに疲労困憊となった。睡眠薬系安定剤を処方され床についたが、一向に効き目がでない。王女は侍女が目を離した隙に無断で外出するが、途中の公園で薬が効いてきて、その場で寝込んでしまう。そこにアメリカ人特派員記者ブラッドレー(グレゴリー・ペック)が近付いて来て・・・

世界中で数多くパクられた恋愛コメディの歴史的金字塔。

世間知らずの王女。そんな彼女を捕まえて素知らぬ顔で独占取材を試みる新聞記者とカメラマン。舞台となるのは超有名観光地であるローマ。

昔は行きたくても行けぬ観光地。その名所旧跡がこれでもかと登場してくる中での、皇族と一般人のほのかな思慕の情を絡めるお伽話。

いくつかの歴史的場面も登場してくるし、ヘップバーンがアイスクリームをなめつつ歩くスペイン広場の階段では、世界中の観光客が真似をして、随分と昔から飲食禁止になったのも有名な事実。

また、王女から有名女優とか、逆に王子様がバスガイドを好きにとか、少し設定を変え、どれほど亜流作品が作られたか。

本作は隔離された世界で育った優等生王女が市井の生活に触れ、見事なるお転婆振りをみせたり、逆に世間知らずが、どれほど幸せであったのかと知る成長物語でもある。

そこにはなりたくてもお姫様には成れない夢と、飛びっ切りな一日が夢の場所で見られるという遠い話でもあった。

しかし、誰もがSNSで呟けたり動画を作成でき、誰にも気兼ねなく投稿し世界中に一瞬にして拡まる現代では、こんな鷹揚な夢物語は紡げないだろう。

それにしても、制作された当時と、現存する名所遺跡が、修復があるにせよ、ほぼ同じ状態で現存しているというのも驚きである。

ゆえに、今でも本作の追体験がしたい人間はローマに行けば、同じようなシーンを写真なり動画に収められる愉悦もある。

事実、自分も何度もローマに行ったが、そのたびに、ここはあの場面ででてきたなと感動した記憶がある。当然、傍らに絶世の美女である王女などいるはずもなかったが。

それでも、そういった夢物語を追体験できる場所であり、何度見直しても飽きが来ない作品はそうは多くない。

ヘップバーンの信じ難い魅力と、ローマという場所、そして極自然に進行していくワイラーの流麗なる演出。

どれを取っても一級品であり、永遠に残る名作中の名作。

余談雑談 2020年4月18日
静かな地元。流石の観光地で、総菜屋が並ぶ商店街や、ホームセンターがないと直近地元民以外は激減。 それでも生活はしていかないといけない訳である。とはいっても、食事か買い出し以外に用はない。 要は以前にも増して時間が有り余るので、たまさか自室の