退院して暇な日々が戻った。ただし、松葉杖は必要な生活。何せ、一ヶ月近くも片方の脚を全く使わなかったので、かなり筋肉が落ちており、戻すのには時間が必要だ。
入院時から、人生初の車イス生活が始まった。それに慣れたと思ったら、次は両松葉杖使用による歩行練習開始。
そこで退院と相成った。実社会は、まだまだ段差があり、それに留意しつつの歩行。億劫だが、外出しないと食事だって覚束ない。
で、それにより高校時代の仲間らとの、目前に迫った7月中旬の北海道旭川旅行がパーになった。
元裁判官で、現在は司法書士の出世頭が、20年も前にあちらに家を買い、老後はそこに住むと。
それなりに宿泊設備もあるから、仲間らに来いとずっと言っていた。念願叶っての実現であった。
武漢肺炎など、どこ吹く風となり、県またぎの移動も解禁。楽しみにしていた。
事の次第を話すと仲間から、そら見たことかとか、やはり徳を積んでない奴の運命とか散々、揶揄卑下された。
確かにその通りだよ。でもな、言っておくぞ。5月GW明けに予定してたが、結局キャンセルした沖縄旅行。実は入院前に、どうしても行きたくて、9月後半に、変更の手配済みさ。
再予約の時には左足骨折などとは考えてもいなかったが、間違いなく、その頃は完全復帰。
老境おじさん集団で北海道旅行よりも楽しいだろうよ。何たって勝手知ったる沖縄。それに安いと来たもんだ。
でも、頭に来たのが北海道のキャンセル料金。一ヶ月以上も前に連絡したが、ツアーでなくチケットのみだったからか、半額程度しか戻らない。
5月の沖縄キャンセルは全額返金だったぞ。ちょっとばかり、渡航制限が緩和されたら、ここぞとばかりに今までの赤字を取り戻そうとベラボーなキャンセル料かよ。
もしくは高校の卒業旅行以来の北海道はノット・ウエルカムてか。寒くて広大な土地より、暖かな島々が、お似合いってことかな。
それに、これを見て心配してくれた仲間からは、奥日光の温泉に誘われた。
成程、温泉療養ね。それも乙だと感じるお年頃か。ただし、ふと不安にもなった。
元々、鄙びた温泉地。この騒動でクローズしてなきゃ良いんだけど、って。