そろそろ暑さの峠も超えるか。一方、こちらは消沈続きだ。
足首二ヶ所の骨折。当初、手術は上手く行き、脱着式簡易ギプスでの療養であった。
ところが、歩き過ぎと叱られ、内くるぶし側の骨が乖離傾向と言われ、いかにもの大袈裟な見栄えの石膏ギプス姿になって三週間が経過。
その診療に行ってきた。いつも通りにレントゲン。放射線技師も勝手知ったる部位らしく順調に撮影。すると、今回はこのままCTスキャンに行ってくれと。成程、より正確に、ね。
で、どの道、ギプスは一回壊し、場合によっては再度新しく石膏ギプスかもと脅されてもいた。
担当女医が、防塵メガネを装着し、電動ノコを持って登場。まさに職人の顔付きで作業開始。無事に外れて、しばらく振りに左足と対面。随分と腫れも引いていた。塞がらなかった傷口も治り、シャワーも風呂もOKだ。
ところが、流石の自分。ドクターが大きな画面で撮影したばかりのCT画像を操作し始めた。
実はですね。妙に神妙で、今までと違う声のトーン。
オペ後に順調だと思われた二ヶ所の骨折部位が、三ヶ月経っても、一切、成長していなかったと。
つまり、手術直後と全く同じで、本来ならば、本能で骨同士がくっ付こうとするらしいが、それが全くないと。
喫煙はしてないでしょうねと言うから、去年の11月3日以来一切止めてますと即答。
もう3ヶ月も経っているのに、こんな事例は前代未聞で自分としては初めてだと仰る。こっちだって初めてだい。
でも、以前の肩の骨折時、担当ドクターもかなり苦労したんでしょうねと同情的お言葉も頂いた。そんなこと聞いとらん。
相当動揺している模様。間違いなく成人病が悪さしてるとも仰る。でも、内科医からの処方薬は用法用量を良く守って服用中。
結果、数値は改善傾向でこの数日逆に低血糖値注意レベルにまで落ち込んでいる。来週の内科受診では更に減薬依頼しないと恐怖ですと返答した。
いつもなら更なる文句が発出されるが、今回は出ない。
再手術ですかねと尋いてもしばし沈黙。まあ、それなら別な部位から骨を持ってきて隙間なく埋める、かな。
他に処置としては、5万円もする骨を成長させる高額な特効薬があるが、それは最終兵器で、80代以上の医療費一割負担の患者にしか勧めないんだよね、だと。
それに、それで成功しないと現在ではそれ以上の治療薬はないと、ある意味、決定打。
とにかく、余計に歩かず、経過観察とのこと。ギプスはどうするの。
また石膏のが良ければするけど、歩かない前提なら、以前の脱着式どっちでも良い。
ならば簡易ギプスに戻します。そんなこともあろうかと想定し、簡易ギプスに、もう片方のサンダルも持参してますと笑って言ったが、女医さんは笑ってくれない。
結果、脱着式なら、今まで内側だけだった貸出し中の超音波を投射する治療を外くるぶしも当ててくださいね。それを日課にして欲しい。
他に、成す術もなく一ヶ月の放置プレイと相成った。昔の病院へ紹介状でも書いてもらいますかね。
でも、当のこっちは、別に心配してないんだよな。修羅場とまでは言わないが、ある程度人生の経験値は他人よりもあると自惚れている。
その上、腹の座った天邪鬼。フランス人かイタリア人の如く、周囲の人間とは、好んで波風立てても絶対に違うのだという価値観で生きてきた自分。
体自体が普通の日本人とは違う体質になっていたってしょうがないよな。
さて、ここで人生の座右の銘。『ケ・セラ・セラ』。
自分の思い通りになど行かぬ。やっぱり、人生の着地点は運否天賦。