黒いジャガー – SHAFT(1971年)

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スタッフ
監督:ゴードン・パークス
製作:ジョエル・フリーマン
脚本:アーネスト・タイディマン、J・D・F・ブラック
撮影:アース・ファーラー
音楽:アイザック・ヘイズ

キャスト
シャフト / リチャード・ラウンドツリー
ジョナス / モーゼス・ガン
アンドロツィ / チャールス・チョフィ
ビュフォード / クリストファー・セント・ジョン
ハノン / ローレンス・プレスマン
パンキー / アントニオ・ファーガス
ウィリー / ドリュー・バンディーニ・ブラウン
ムーア / グェン・ミッチェル
ルロイ / トミー・レイン

日本公開: 1972年
製作国: アメリカ シリファント&ルイス・プロ作品
配給: MGM


あらすじとコメント

音楽が印象的に起用され、NYのハーレムを舞台に黒人ばかりが登場する作品。今回はジャズではなくソウル系で、「ブラックスプロイテーション」と呼ばれる作品群の走りと位置付けられる、実にイカしたクライム作。

アメリカ、ニュー・ヨーク私立探偵シャフト(リチャード・ランドツリー)は、怪しげな二人組が自分を探していると周囲から聞いた。

事務所に戻ると、二人組が勝手に侵入しており、すぐに乱闘となった。ところが、シャフトが殴り飛ばした勢いで一人が窓から転落し死んでしまう。

警察沙汰になるが、一応、正当防衛として処理された。その際、仲良しの刑事アンドロツィ(チャールス・チョフィ)から、ハーレムのボス、ジョナス(モーゼス・ガン)の手下だと教えられる。何故、自分にコンタクトを取って来たのかと訝しがるシャフト。

そして、そのジョナスが事務所にやってきた・・・

腕っぷしが強くて女にモテる私立探偵の活躍を描くアクション。

黒人マフィアのボスの一人娘が誘拐され、探しだす依頼を受ける主人公。

当然、何やら裏があるが、伏せられての進行である。

内容や進行は、いかにもの探偵モノ。しかし、それをほぼ黒人だけで描いていくというのが目新しい。

長く虐げられてきた片鱗を織り込み、治安の悪い頃のハーレムでロケを敢行する。

しかも、絡んでくるのが主人公と旧知の仲が所属する「黒人解放戦線」を名乗る過激派グループ。そこにマフィア関係とは違う、別なキナ臭さも漂ってきての展開。

監督を含めゴキゲンな音楽のアイザック・ヘイズなどスタッフも黒人系。

何とも独特な雰囲気があり、虐げられ続けてきた黒人たちの鬱憤を一気に晴らすような作品なのだ。

例えば、警察で唯一主人公の仲間なのはイタリア系。つまりラテン民族で、白人系ではない。

更には、主人公には黒人の恋人がいるが、色目を使ってきた白人女性とも簡単に寝る。その後、ベッドでは情熱的だが以後はクール過ぎると言わせるのだ。

つまり、抱くだけ抱いて捨てる印象を植え付ける。これらも彼らならではの復讐というか反骨精神の表れだろう。

平気で人を痛めつけるし、殺す。人権侵害など関係ないとばかりに、アクションを繰り広げる。

成程、一部の間では熱狂的なファンを生んだ作品であると頷ける。本作後、アフリカ系黒人が白人を馬鹿にしながら派手に暴れるジャンルが、結構できてくるので、本作の与えた影響は大きいと感じる。

黒人初のクールで格好良いアクション・ピーローであり、続編が二本制作され、TVシリーズにまでなった。

後にサミュエル・L・ジャクソンによって「シャフト」〈2000〉としてリメイクされている。そちらも音楽はアイザック・ヘイズによる同じもので、思わずニヤリとした。

佳作、秀作というタイプではないが、当時としてはゴキゲンなアクション作であろう。

余談雑談 2020年10月31日
都民も旅行へどうぞ、とやら。今度は飲食店や商店街までか。兎に角、矢鱈と煽る煽る。 一方で、感染者数は10万人を越えたよ、だと。何でも数値化して脅す脅す。結果、数値との兼合いで『マッチポンプ』なのが面白い。 ならば単なる騒乱と化したハロウィー